株式会社IMAGICA様

”AWSとWeb Aviatorの組み合わせにより、自社とSIerとの共同開発体制を実現”

映画やテレビ、CMなどさまざまなコンテンツについて、コンテンツホルダーと一般消費者をつなげるサービスを提供している株式会社IMAGICA(以下IMAGICA)様。近年のインターネットの発展・普及に伴い、同社のビジネスフィールドは拡大の一途をたどっており、その土台となるITインフラ、中でも編集作業の進捗管理、社内業務およびコンテンツホルダーとのやりとりの効率化を図るシステムの整備が急務となっていた。 今回は、IMAGICAで2次流通用コンテンツのアセット管理およびお客様との共有システム(SHIFT)の設計、運用支援などを担当されている技術推進室 エンジニアリングソリューションユニットの柴田有史様に、同社の新たなコンテンツ管理システムの概要と、その基盤にAWSを選択した理由についてお話を伺う。

株式会社IMAGICA

http://www.imagica.com/
本社所在地:〒141-0022 東京都品川区東五反田2-14-1
1935年、株式会社極東現像所として京都の太秦で設立される。1970年代よりビデオのポストプロダクション分野に進出。以後、撮影、映画・TV番組・CM・PR等の映像・音声の編集、DCP(デジタルシネマパッケージ)作成、コンテンツ流通・配信サービス、フィルム現像、デジタル合成・VFX・CGなど、各種の映像技術サービスを提供している。

導入サービス

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進捗管理の属人化からの脱却を図る

IMAGICA様の事業について教えてください。

柴田様:私たちIMAGICAは、お客様である製作者や権利者が持っているさまざまなコンテンツを一般消費者に届けるため、各種の映像技術サービスを提供しています。扱うコンテンツもさまざまで、映画はもちろん、テレビやCMなどのコンテンツ制作を様々な視聴環境向けに処理したりします。フィルムの現像から映像・音声の編集・合成、DVDやブルーレイのようなパッケージメディアの作成、インターネット動画配信向け加工まで、さまざまなサービスを一気通貫で提供できるのが当社の強みです。

今回、新たに構築したコンテンツ管理システムとは、いったいどのようなものでしょうか。

柴田様:「SHIFT」という名称です。2次利用向けのコンテンツとそれに付帯する作品情報(あらすじや監督、出演者など)をデータベース化して一元管理するとともに、作業の進捗状況をお客様と共有するためのシステムです。これまでは各担当者がエクセルなどを使って個別に管理していたため、作業が属人化されていましたが、それを標準化し、お客様とのコミュニケーションロスを防ぎたいというのが今回の構築のねらいです。

その背景はなんでしょう?

柴田様:インターネット配信事業の拡大、具体的には、2年ほど前からビデオ・オン・デマンド(VOD)事業者が急増したことがあります。当初はパソコン向けが多かったのですが、最近ではスマートフォン向けに映像配信する事業者も増えていますし、テレビ自体もインターネットに接続可能になるなど、多くの人がVODサービスを楽しめるようになりました。それに伴い、近ごろは「この映画を編集し数十社に納めてほしい」「テレビドラマ数百エピソード分を1カ月で納品してほしい」といった依頼も珍しくありません。

そこで作品情報や編集作業の進捗情報を一元管理できる仕組みを作ることになったのですね。システムの検討を始めたのはいつですか。

柴田様:2012年1月頃から具体的なシステム要件の洗い出しが始まりました。

社内外のさまざまな場所からシステムにアクセスしたい…だからクラウドを選択

その時点ではクラウドにするかオンプレミスにするかは決めていなかったのでしょうか。

柴田様:初めからクラウドを基盤にするつもりでした。というのも、様々な部署の者が様々な場所で管理状況の確認を行います。加えて、BtoBではあるものの、数多くのお客様がアクセスしやすい仕組みということを考える必要がありました。そのため、オンプレミスではなくクラウドを採用するのが最適だと考えました。もちろんクラウドはリソースを使うだけ費用がかかってしまいますが、ハードウェアの選択やサーバーの管理などの雑務やセキュリティー・可用性の担保等から解放されることを考えれば、十分に見合うと思ったのです。

数あるクラウドサービスの中から、Amazon Web Services(以下、AWS)を選んだ理由を教えてください。

柴田様:SHIFTのインタフェースは、常にアップデートが必要な、いわば「開発が終わらないシステム」です。今後、配信事業者の数は増えていきますし、市場が求めるデータ管理の方法も変わっていくでしょうから、システムにカスタマイズやアップデートが欠かせません。その際、SIerに依頼するだけではなく、社内でも作業ができることが必須条件でした。つまり、SIerと共同で継続開発できる仕組みが欲しかったのです。
今回は3社から提案を受けましたが、その要件に最適だったのがAWSとWeb Aviator(キヤノンソフトウェア株式会社が開発・提供する、Webアプリケーションをクラウドで開発するための基盤)を組み合わせた提案でした。Web AviatorならAWS上でWebアプリケーション開発できるため、開発用に別途サーバーを立てる必要がありません。また、SIerと共同で開発を行う際に、リモートアクセスなどセキュアなアクセス手段をあらたに構築すること不要です。

AWSとWeb Aviatorの組み合わせが採用の決め手になったのですね。

柴田様:そうです。加えて、AWSはサーバーのセットアップや再起動のやり方が容易で扱いやすいという印象がありました。というのも、今回のシステム構築に先立ち、別のサービスでAWSを導入していたからです。かねてより当社は、特定のお客様とコンテンツ管理を共有するASPサービス”1-2-share”を提供しており、そのインフラにAWSを採用していました。よって、不特定多数に広く提供する今回のサービスもAWSをクラウド基盤へ展開するのに迷いはありませんでした。

開発はいつから始まったのでしょう?

柴田様:2012年秋に業者を選定、実際に開発が始まったのは2013年1月からです。どこまでシステム化するのかを決める検討に時間をとられましたが、開発自体は比較的スムーズに進みました。9月から実際にお客様に使っていただき、フィードバックをもらいながら、より使いやすいシステムになるよう改善を続けています。

お客様はどのような使い方をされているのですか?

柴田様:作品情報や作業の進捗情報を共有しています。また、各配信事業者に提供する作品情報の編集にもご利用いただいております。

コミュニケーションフローや作業フローを再構築中、これからの成果に期待

システム構築の目的には、作業の属人化からの脱却ということもありましたが、その点での成果はいかがでしょうか。

柴田様:まだ導入してから間もないので、成果はこれからですね。今回、SHIFTを構築したことで、共通のフォーマット、共通のやり方で作業の進捗を管理できる土台が整備できました。現在はコミュニケーションフローや作業フローを再構築している段階で、これが完了すれば、ノウハウの共有や連絡の効率化、ワークシェアリング、営業窓口支援などが実現できると思います。そして、その先にあるのが業務範囲の拡大です。今後インターネット配信はますます広がっていきますし、それに取り組むお客様も増えることでしょう。これまでは、案件ごとに進捗管理するケースも多かったですが、これからはより多くのお客様とより効率的に情報のやり取りできるようになるのではないかと期待しています。

システム自体の評価はどうでしょう?

柴田様:「当社とSIerと共同で継続開発できる」という点では、現時点でも満足のいくシステムになっていると思いますね。
今回、サーバーワークスにはAWSのセットアップおよび運用をサポートしてもらいました。このように複数社共同で開発がスムーズに進められているのも、AWSというクラウド基盤、そしてサーバーワークスが「Backlog」というプロジェクト管理ツールを提供してくれたからです。このツールには掲示板的な機能があり、それを活用することで、情報の共有や不明点の相談など、“開発と保守の協業”を実現しています。

なるほど。そういったツールの活用も、うまくいっている要因のひとつなのですね。それでは、SHIFTの将来的な展開について考えていることがあればお聞かせください。

柴田様:今後は配信事業者との情報共有にも活用していきたいと考えています。もう一つは、コンテンツの輸出支援です。日本には優れたコンテンツがたくさんありますので、それを海外の配信事業者へ容易に届けることができるシステムがあればと考えています。

最後に、サーバーワークスについてお聞かせください。

柴田様:対応にはたいへん満足しています。たとえば、AWSは非常に幅広いサービスを提供していますが、サーバーワークスに聞けば、それがどんなものか詳しく教えてくれるので助かっています。今後も、クラウドサービスの利用について、当社の将来も踏まえて、一緒にプランニングまで行ってもらえるとうれしいですね。

ありがとうございました。

構成図

構成図(AWS Simple Iconsバージョン)

まとめ

株式会社IMAGICA様はコンテンツ情報および作業の進捗情報を一元管理するシステムを可用性・セキュリティーを担保した上で、メンテナンス性の良いAWS上に構築。AWS上で動作するWeb Aviatorを採用することで、SIerと共同で継続開発することも容易にした。これにより、今後のビデオオンデマンド配信サービスの拡充のための準備を整えることに成功しました。


事例公開日:2014年
※所属組織、業務内容、写真、インタビュー内容は取材当時のものです。


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