AWS導入の事例
"基幹システムをクラウド運用しても問題はない、むしろクラウド運用した方が効率、コスト、可用性が改善される、そのように感じています。"
- 社内システム事例
2019.03.28 掲載
情報システム部 業務システムグループ グループリーダー 松枝 泰三 氏(写真右)
情報システム部 基幹システムグループ 三鍋 貴信 様(写真左)
株式会社ロキグループ 情報システム部 業務システムグループ グループリーダー 松枝 泰三氏に、自社基幹システムのAWSインフラ構築をサーバーワークスへ依頼した経緯と効果について詳しくお聞きしました。
株式会社ロキグループ様
ロキグループは1978年に創業。産業用濾過フィルター等を開発・製造・販売する4社の事業会社を有するホールディングカンパニーです。事業分野は「フィルトレーション事業」、「システムソリューション事業」、 「コンシューマー事業」の三分野。顧客ニーズに合致したカスタムメイドの製品づくりを強みとし、「変革」「飽くなき追求」を推進することで、次世代の100年企業を目指しています。
- ※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
目次
導入の概要
ロキグループでは、2018年に自社の基幹システムを一新しました。サーバーワークスには、その基幹システムのためのAWS基盤の構築を依頼しました。概要は次のとおりです。
項目 | 概要 |
---|---|
基幹システムの範囲 | 生産管理、原価管理、販売管理、財務会計、連結 |
システム利用者数 | 数百名 |
AWS基盤の構築期間 | 2018年1月~2月(実質1ヶ月弱) |
検討のきっかけ
従来の基幹システムは、改修を重ねながら20数年利用していたため、社員も慣れ親しんでいました。しかしWindows10への対応が不可であると分かり、システムを刷新することが決まりました。
最初は従来と同様に、「オンプレミス」でのシステム構築を予定していました。しかし、その後、社内で協議する中で、「運用コストをもっと低減する必要があるのではないか」「災害対策/事業継続計画(BCP)への対応は十分なのか」という課題が提起されました。
従来は、東京本社、九州工場、北陸工場の三拠点にそれぞれ販売管理サーバー、生産管理用サーバーを設置していました。このような分散体制は、サーバー基盤の維持・運用の点でコスト高となります。また、この構成でBCP対策を施す場合、3拠点のサーバーをそれぞれ冗長化することになり、合理的でありません。この問題を解決するために、新システムのサーバー基盤は、「クラウド上に統一して構築する」ことを決めました。
その後、クラウドサービスを比較検討しました。その結果、「ファイルサーバーのデータ同期が高速であったこと」「金融機関、大手製造業で実績が豊富であること」「新たに導入する基幹システムパッケージでも実績があること」を理由に、AWSの採用を決定しました。
サーバーワークスを選んだ理由
サーバーワークスは、基幹システムのSIベンダーからの紹介を通じて知りました。実際に打ち合わせをしてみると、AWSでの構築経験が豊富だと感じ、安心できました。営業担当者も技術に明るく、細かい質問に対してもその場で明確かつ詳細な回答がありました。社内に持ち帰ってから回答、ということはまずありません。
構築期間についても「短期間で可能」と回答があり、かつ費用もリーズナブルでした。「技術・納期・費用」の三拍子が揃っていたため、ごく自然にサーバーワークスに依頼することになりました。
AWSにしてよかったこと、そして導入後の効果
AWSについては、その「高速性」を実感しています。以前のオンプレミス環境では、基幹システムの運用において検証環境へのデータ移行が発生していました。データ移行はサーバー停止が必要で非常に長い時間がかかるため、休日出勤していました。しかしAWS環境では20~30分で移行が可能です。あまりに短時間で終わるので、現場から「簡単すぎる。本当に大丈夫?」という声さえ出るほどです。
サーバーワークスについては、基幹システムのSI企業と柔軟に連携してくれた点をありがたく感じました。おかげでこちらのプロジェクト管理工数が大幅に低減しました。
当初は、SI企業とサーバーワークスの2社をこちらがコントロールする必要があるのでは、と危惧していました。しかし、実際にはサーバーワークスが自主的にSI企業と連携してくれたため、心配は杞憂に終わりました。インフラ構築は当初2ヶ月かかると見込んでいましたが、実際には1ヶ月未満で完了しました。
基幹システムのクラウド運用については「セキュリティ面での不安」を感じる方も多いかと思います。しかし、セキュリティ強度は、結局のところ「ポリシーの持ち方」に依存するものなので、クラウドかオンプレミスかということは些末な要素です。
またBCP対策についてはオンプレミスよりクラウドの方がコスト面で優位性があります。そしてバックアップなど運用面でも、AWSから提供される技術はきわめて安定しており、優位性を感じます。バックアップからのリカバリも、オンプレミス運用の頃に比べ、速度と安定性の両面で大幅に改善されました。
基幹システムをクラウド運用しても問題はない、いや、むしろクラウド運用した方が効率、コスト、可用性が改善される、そのように感じています。
今後の展開について
現在、当社では仮想化デスクトップ「Amazon WorkSpaces」の導入を検討しています。サーバーワークスには引き続き、すぐれた提案力、技術力、サポートなどを通じて、当社のクラウドパートナーとして末永くご支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いいたします。
AWS導入・活用に関するご相談はサーバーワークスへ
関連する導入事例
-
AWS環境の統制上のリスクに備え、AWS Organizationsを活用して統合的なアカウント管理基盤を構築。ガバナンス強化とコストの最適化を実現
他の鉄道会社さんとの集まりで当社の取り組みを発表したところ、問い合わせを受ける機会が増え、クラウド活用やアカウント管理が鉄道業界共通の課題であることを改めて認識しました
2023.12.12 掲載
-
EOSを機にオフィス内の物理サーバーを廃止。高いパフォーマンスと事業継続性を獲得し、懸案事項だった社屋移転もスムーズに実施
クラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」の導入に続く第二弾として、EOS(End Of Support)を迎える3台のファイルサーバーをAWSに移行。パフォーマンスの向上と事業継続性の強化を実現し、物理サーバーの制約が無くなったことで、社屋移転もスムーズに実施されました。
2023.12.05 掲載
-
Amazon QuickSightで新たなBI環境を構築し、データドリブン経営を強化ダッシュボード上で可視化されたデータによるマネジメント層の高度な意思決定が実現
「データドリブン経営を強化していく上で、既存のBIツールにはないAmazon QuickSightの使い勝手の良さは魅力的でした。利用時間に応じた従量課金に対応していることも評価ポイントになりました」
2023.11.28 掲載
-
PCI DSSに準拠したBNPL(※)決済サービスのシステムをAWS環境で構築、サーバーワークスの支援を受けて、スピード感を持ったプロジェクト推進を実現
PCI DSSのノウハウを有するサーバーワークスのAWS構築・移行支援サービスを採用して、B to C向けスマホ活用型後払い決済サービスのシステムをAWS環境で新規構築。システムの設計から構築、実装までを含めたトータルでの支援を受けたことで、準拠のための監査もスムーズにクリアしています。
2023.10.11 掲載
-
気象データ解析用システムの基盤としてAWSを初導入、柔軟な計算パワーと大容量ストレージを獲得し、構築作業の一部を自社で担うことで約1か月での環境構築を実現
サーバーワークスのAWS構築・移行支援サービスを採用して、自社初のAWS環境を構築し、顧客ニーズに応えるために必要となる柔軟な計算パワーと大容量ストレージを獲得。またセルフオーダーオプションを採用して構築作業の一部を自社で担うことで、約1か月でのカットオーバーを実現しました。本番環境の稼働開始後にはAWS運用代行・監視サービスも利用して、AWS環境の安心・安全な運用を担保しています。
2023.05.24 掲載
-
研究開発用システムの基盤としてAWSを初採用、ITパートナーとしてサーバーワークスを選定し、2つの実験用システムのPoCを実施、実験数は3分の1にまで激減
サーバーワークスのアドバイザリー契約とAWS構築・移行支援サービスを採用して、初めて導入するAWSを基盤に2つの実験用システムのPoCを実施。コンテナ向けサーバーレスコンピューティングサービスのAWS Fargateなどを活用してスピード感のあるPoCを実現、実験数は実に3分の1にまで激減しています。
2023.05.10 掲載