ビックデータ基盤構築の事例

"AWSのビッグデータ基盤 "Redshift"を用いて顧客の利用動向を分析"

2015.09.08 掲載

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(以下、テレビ東京コミュニケーションズ)は、テレビ東京グループのデジタル事業、戦略を担う事業会社であり、テレビ東京やBSジャパンの番組とインターネットを連携させた企画やサービス等を提供している。
今回、テレビ東京が運営する、「テレビ東京ビジネスオンデマンド」(以下、ビジネスオンデマンド)の視聴ログをAWSのデータウェアハウス(DWH)であるRedshiftを使って分析し、ビジネスに役立てる事となった。導入の経緯、課題の解決、今後の展開などを実際に導入に携わった、株式会社テレビ東京コミュニケーションズ 事業本部 戦略統括部 兼 システム・マーケティング本部 長谷川 晋介様にお伺いした。

ビックデータ基盤構築の事例

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ様

テレビ東京コミュニケーションズは、番組コンテンツやキャラクター等を活用したデジタル媒体の開発・運営及びクロスメディア広告、コンテン ツ課金、デジタル商品化、EC等の事業等、テレビ東京グループのデジタル事業を担う戦略企業です。

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

目次

システムの概要

まずはじめに、今回AWSを導入されたシステムおよびその特色について教えてください。

長谷川様:今回Redshiftは、ビジネスオンデマンドというビジネスパーソン向けの番組のアーカイブを提供しているサービスの利用動向分析を目的として導入しました。
ビジネスオンデマンドはテレビ東京の経済番組を地上波放送直後から配信し、過去の番組の検索・利用も可能な月額500円のSVODサービスです。

アーカイブされているコンテンツとしては、

「WBS(ワールドビジネスサテライト)」
「Newsモーニングサテライト」
「Mプラス/マーケット&ニュース」
「ガイアの夜明け」
「カンブリア宮殿」
「未来世紀ジパング」

といった番組があります。

DWHには動画の視聴ログの他に、共通IDである「テレビ東京ID」のデータを入れて分析を行うのですが、この「テレビ東京ID」のデータを使うと、ビジネスオンデマンド、その他のECサイトも含めたテレビ東京が提供しているサービスを横断して利用されているお客様がどういう動きをし、どのような情報を欲しているかを、ビジュアライズすることが可能となります。

Redshift採用の経緯

Redshiftの導入を決定された理由をお聞かせください。

長谷川様:DWHのデータ量を想定すると、導入初期は小規模ですが、将来的にはそれなりのデータ量になることは明らかでした。そういったスケールの問題を柔軟に解決するには、DWHのマネージドサービスを持つAWSが良いと考えていました。
Redshiftはデータをプレーンなテキストとして格納していることや、標準的なSQLを用いて分析を行うことが可能なため、将来的により当社のニーズに適合するサービスが出てきた場合でも移行がしやすい柔軟性も評価しました。

数億件規模のWeb解析系データをRedshiftで分析

導入にあたり苦労された点などありましたでしょうか。

長谷川様:AWSに関してはイメージ通りに導入・運用が出来ています。導入前の想定とのギャップはありませんでした。
何百万件クラスのデータを、一瞬で解析できるので助かっています。また、Tableau Desktopをつないで、ビジュアル化しているのですが、そちらもストレス無く動作しています。

現在Redshiftのノードクラスの一番下ものを使用しているのですが、既に Web解析系のデータが、数億件規模入っているので、もう少し上のクラスを使用する必要があると思っています。
とりあえず全てのデータを投入しているのですが、今後は投入したデータの精査も必要だと考えています。

スモールスタートで始めたいという当社の要望にぴったり合った提案

今回の構築をサーバーワークスにお任せ頂いた理由と、実際に当社を利用して良かった点があればお聞かせください。

長谷川様:数社のAWSのSIerさんにお声掛けしていました。その中でサーバーワークスにお願いする決め手となったのは、当社がやりたいことと提案がぴったり合っていたという事です。
我々は、スモールスタートで実施したいと思っていたのですが、その状況を一番理解してくれていました。

構築中も、予想しなかった事が発生したのですが、柔軟に対応してくれたので助かりました。トライアンドエラーで当社と一緒に考えてくれたのが良かった点です。

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お客様の行動を可視化し、施策に生かす

今後の展開を教えてください。

長谷川様:現在、EC系のデータ投入がまだなので、いわゆる「コンバージョン」が分かるようにしたいと思っています。メールのアクセスデータや、属性データを解析して、この施策を実施した際にどのような反応があるかを知り、次の施策に繋げたり、セグメント化しての訴求などを考えてみたいと思っています。CRM的な施策を実施できるように分析したいですね。

今回の仕組みがリリースされることによって、情報が見えるようになってきました。 チームのメンバーも分析されたデータに興味を持ってくれています。しかし、実際にどうやって解析データを施策に生かしていくかというのはまだこれから検討が必要ですね。

今後はサーバーワークスと共にディスカッションしつつデータの分析についてより深めて行きたいと思っています。分析することによって、今後の番組のコンテンツ制作にも反映していける可能性もありますし、データの解析によって得られるものは計り知れないですね。

ありがとうございました。

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