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AWSのコスト管理の課題とは?ポイントやコスト管理ツール・サービス

AWSのコスト管理の課題とは?ポイントやコスト管理ツール・サービス

クラウドサービスのなかでも、特に世界的に広く利用されているのが、アマゾン ウェブ サービス(AWS)です。AWSは初期費用を抑えつつ、柔軟に機能等を拡張できるのが大きな特長である一方、運用する以上ランニングコストが発生するため、費用対効果の向上を組織的に図り続けなければなりません。そこで今回はAWSのコスト管理のポイントについて解説します。

「AWSの概要を詳しく知りたい方はこちら」

この記事でわかること

  • AWSは柔軟なリソース追加を行える一方で、コスト管理が課題となる
  • AWSのコスト管理の課題は「コスト構造が複雑」「可視化しにくい」「人的なミス」「専門知識が必要」などで挙げられる
  • コスト管理は「コストの可視化」、「部署間の連携」、「コスト管理ツール/サービスの活用」が不可欠
  • AWSでは複数のコスト管理ツールやサービスが提供されている

※当記事は2025年6月に書かれたものであり、以後に展開された最新情報が含まれていない可能性がございます。

AWSにおけるコスト管理の課題

AWSは柔軟にリソースの増減をできる一方で、運用時にはコスト管理が課題となることが多いです。ここでは、コスト管理が課題といわれる理由について解説していきます。

コスト構造が複雑

AWSは従量課金制で、インスタンス(Amazon EC2)稼働時間やUsage、ストレージ容量、データ転送量などが利用料に直結するため事前の見積もりが難しいです。また、インスタンス(Amazon EC2)やAmazon S3、Amazon RDSなど、サービスごとのさまざまな要素が利用料に影響するため、どこに無駄があるかが把握しづらくなります。停止すべきAmazon RDSのスナップショットや使用率の低いAmazon EC2を常時起動していると、気づかないうちに請求額が増加するリスクがあります。

サービスの利用状況を可視化しにくい

複数のアカウントを複数リージョンで運用される環境では、BillingやCostのタグ付けやコンソールでの表示が分散します。AWS Organizationsによる統合請求や、タグ付けでまとめることはできるものの、運用ポリシーやIAMロールなどの設定が不十分だと、利用状況をリアルタイムに追跡できず、可視化が困難になります。

人的なミスがコスト増加につながる

運用担当者の操作ミスによるリソースの停止忘れやタグの付与漏れなどによって、高額請求が発生するケースがあります。Amazon S3バケットにバージョニングを有効化し忘れたり、Amazon EBSスナップショットの自動削除ポリシーが未設定だったりすると、思わぬ費用がかかるケースが発生します。

専門的な知識が必要

コスト管理を適切に行うためには、AWSの専門的な知識が必要です。前述のタグ付けや統合請求、利用料のしきい値を設けた監視アラート設定、コスト分析に関する知識は必須となります。運用担当者の属人的な方法に頼っていると、予算超過に気づかず対応が後手に回る可能性があります。

AWSのコスト管理のポイント

ではAWSのコスト管理のポイントはどのような点でしょうか。ここでは、ポイントを3つに絞って解説します。

コストの可視化

前述した課題を踏まえ、AWSコストを効率的に管理し、削減するためには、現状の可視化が重要です。まず、現在の支出状況をBillingサービスや費用明細で月次や日単位のUsageで把握します。どのサービスにどれだけの費用がかかっているかをサービスやアカウント、タグごとに整理することが目的です。これらの情報を基に、コスト削減や最適化の方法を整理します。AWS Cost Explorerなどのコスト分析ツールを用いて、「月別コストトレンド」、「高額請求要因」をグラフやダッシュボードで表示し、傾向を把握することが可能です。

部署間の連携

社内の複数部署でAWSサービスを利用している場合、部署間の連携を行うことはコスト管理に効果的です。複数部署で一元的にキャパシティ予約を行うと、単一部署で契約するよりも割引額を大きくすることができます。さらに、AWS Organizationsで複数アカウント管理とタグ戦略、定期レポートなどを連携して実行することで、全社的なガバナンスを強化します。

コスト管理ツール/サービスの活用

AWSサービスには、AWS Cost Explorerをはじめ、さまざまなコスト管理ツールとサービスがあります。さらに、AWSが提供するコスト管理・最適化ツールは複数組み合わせることができます。これにより、予期せぬ支出や過剰なスペックのサービスなどを検知しやすくなります。

AWSのコスト管理ツール/サービス

AWSのコストを適切に管理したい場合は、コスト管理のツールやサービスを利用しましょう。ここではAWSのコスト管理ツールやサービスを紹介します。

AWS Cost Explorerの基本情報

AWS Cost Explorerとは

AWS Cost Explorerとは、AWSにかかるコストと利用状況などのデータを視覚化し、分析するためのツールです。フィルターとグラフオプションにより、「いつ・どこに・どのくらい」のコストが発生しているかを確認できます。さらに、蓄積されたデータを分析することで、将来のコストを予測したり、異常なコストの増加を検知したりすることも可能です。

AWS Cost Explorerで利用できるフィルターの種類

AWS Cosu Explorerでは、フィルターの活用によりデータを見やすくすることが可能です。例えば、Amazon EC2やAmazon RDSなどのサービス別に絞り込むことで、どのサービスにどのくらいコストがかかっているかを確認できます。ほかにも、アカウント別やリージョン別、タグ別など、粒度の高いカスタムフィルタリングがあります。さらに、時間単位や日単位での使用料も確認できるため、いつシステムに負荷がかかっているかを確認することも可能です。

AWS Cost Explorerの料金体系

AWS Cost Explorerの基本的な機能は無料で利用できますが、詳細な使用状況を確認する際には、1日の使用レコードにつき0.00000033ドル(=約0.01ドル/月・1000レコード)の料金が発生します。しかし、金額としては微々たるものであるため、積極的に利用することでコストメリットが得られるでしょう。

その他のコスト管理ツール

AWS Budgets

AWS Budgetsは、コストや使用料の予算設定をし、予算を超過しそうな場合や超過時にアラート通知します。主な機能は、予算設定や予算レポート、アラート通知、予算テンプレート機能などです。予算の作成やアラートの設定は無料ですが、予算アクションの設定は最初の2件は無料、3件目以降は1件につき$0.10/日、レポート配送は1通あたり$0.01かかります。

AWS Cost Optimization Hub

AWS Cost Optimization Hubは、AWS Cost Explorer内の機能です。主な機能は、複数アカウント・複数リージョンにまたがる 各サービスのコスト最適化推奨を一元化し、可視化します。Compute Optimizer と連携し、将来見込みの節約額の推定も可能です 。基本的に追加料金なしで利用できます。

AWS Compute Optimizer

AWS Compute Optimizerは、インスタンス(Amazon EC2)の設定と使用率を分析します。主な機能は、Rightsize(過剰Provisioning/Under‑provisioningの検知)やIdle resourceの削除提案などで、AI/MLで最適化の推奨が可能です。基本サービスは無料で利用できますが、3ヶ月履歴などを有効にした場合、$0.0003360215/リソース時間で課金され、31日稼働で約$0.25/月となります

AWS Trusted Advisor

AWS Trusted Advisor はコスト削減を中心に、パフォーマンス最適化、セキュリティ、耐障害性、運用限界の 5 領域におけるベストプラクティスチェックを通じて、クラウド環境の最適化を支援します。料金体系は、BasicとBusinessプランに分かれており、BasicプランはすべてのAWS利用者が追加費用なしで利用可能です。

AWS Cost Anomaly Detection

AWS Cost Anomaly Detectionは、機械学習により、過剰支出や予期せぬ高額請求を異常検知(Anomaly Detection)アルゴリズムでモニタリングし、SNS通知やアラートで担当者に即時通知する仕組みです。これにより、無駄な支払いを早期に抑制できます。追加課金なしで利用可能であり、モニターとアラートも無料で利用できます。

AWS コスト管理サービスの利用は専門家への相談がおすすめ

AWSは、さまざまなコスト管理サービスを提供しています。AWS Cost Explorerをはじめ、複数のサービスがありますが、それぞれで活用するシーンが異なります。
なぜなら、粒度や自動化、可視化など、目的に違いがあるからです。

割引を最大限活用するためには、AWS Cost Explorerのコスト分析とCompute Optimizerの推奨、Budgetsでのしきい値監視という組み合わせが効果的です。このように、それぞれのサービスの特徴を理解し、自社の課題を解決するために最適なものを選ぶ必要があります。そのときは、専門家に相談することがおすすめです。

クラウドワークスのAWS請求代行サービスは、請求からコストの最適化、運用支援までワンストップでサポートします。お客様のご利用状況に合わせて、複数のプランをご用意しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

詳細はこちら >> AWS請求代行サービス



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