Amazon QuickSightで新たなBI環境を構築し、データドリブン経営を強化ダッシュボード上で可視化されたデータによるマネジメント層の高度な意思決定が実現

「データドリブン経営を強化していく上で、既存のBIツールにはないAmazon QuickSightの使い勝手の良さは魅力的でした。利用時間に応じた従量課金に対応していることも評価ポイントになりました」

2023.11.28 掲載

総合毛髪関連事業のリーディングカンパニーとして、国内にとどまらずグローバル市場でもビジネスを拡大する株式会社アデランス。持続的な成長を支えるデータドリブン経営の強化を目指す同社は、サーバーワークスの支援を通じてアマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するBIツールAmazon QuickSightを導入。現在は経営トップである社長のほか、本社の営業部門、企画部門、マーケティング部門などのマネジメント層が、Amazon QuickSightのダッシュボード上で可視化されたデータを見ながら高度な意思決定を行い、新たな事業の創出や売上げの伸長に向けた施策の立案に役立てています。

事例のポイント

お客様の課題
  • 営業情報、販売情報などの分析による経営の可視化、高度化
  • 操作性が悪い既存のBIツールからの切り替え
  • 既存のBIツールの高額なライセンス費
課題解決の成果
  • Amazon QuickSightのダッシュボード上で可視化されたデータによる高度な意思決定の実現
  • 顧客の購買動向、満足度などの分析による売上への貢献
  • 既存のBIツールと比較して月額で35%のコスト削減
導入サービス

Amazon Quicksight

AWS構築・移行支援サービス

Amazon QuickSightで新たなBI環境を構築し、データドリブン経営を強化ダッシュボード上で可視化されたデータによるマネジメント層の高度な意思決定が実現

株式会社アデランス様

総合毛髪関連事業のリーディングカンパニーとして、男性向け「ADERANS」、女性向け「レディス アデランス」「FONTAINE」、毛髪移植「BOSLEY」、海外ウィッグ「HAIRCLUB」の5つのブランドを核にグローバルで事業を展開。時代とともに変化する顧客のニーズに対応し、ライフスタイルや利用シーンに合わせた多彩な商品・サービスを提供している。

お話をお伺いした方
株式会社アデランス
情報システム部
シニアマネージャー
石川 秀幸 氏

株式会社アデランス
情報システム部
サブマネージャー
中井 康貴 氏

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

目次

データドリブン経営の強化に向けて新たなBIツールへの移行を検討

「毛髪・美容・健康のウェルネス産業を通じて、世界中の人々に夢と感動を提供し、笑顔と心豊かな暮らしに貢献すること」を経営理念に掲げるアデランス。多様化する顧客ニーズに対応するため、IT環境の整備を積極的に進める同社では、2015年から国内システムのクラウド化に着手。2022年までの7年間でオンプレミス環境のすべてのシステムをAWS上に移行しました。
クラウド化の取り組みと並行して、2017年にはデータドリブン経営の実現に向けて海外ベンダーが提供するBIツールを導入。本社の営業本部のマネジメント層が店舗別の売上実績を分析するなど、新たな営業戦略の立案に活用していました。しかし、この環境にはいくつかの課題がありました。情報システム部 シニアマネージャーの石川秀幸氏は次のように話します。
「Excelで管理していた営業実績を可視化し、課題を掘り下げる目的でBIツールを導入しましたが、設定項目が非常に細かいこともあり、現場レベルでは十分に使いこなすことができていませんでした。また、ライセンス費が高額で全社規模での展開が難しい点も課題でした」

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AWS活用の広範な支援実績を評価しサーバーワークスに支援を要請

こうした課題を抱える中、アデランスが2020年末にAWSから提案を受けたのがAmazon QuickSightでした。
「データドリブン経営の強化は継続課題でしたので、既存のBIツールにはないAmazon QuickSightの使い勝手の良さは魅力的でした。利用時間に応じた従量課金に対応していることも評価ポイントになりました」(石川氏)
検討の結果、Amazon QuickSightへの移行を正式に決定した同社は、導入パートナーとしてサーバーワークスに支援を要請しました。その理由について、情報システム部 サブマネージャーの中井康貴氏は次のように説明します。
「AWSへの移行プロジェクトを通じて、当社のIT環境に精通していることが一番の理由です。その間にはVPNや仮想デスクトップ(Amazon WorkSpaces)の導入支援などもお願いしており、技術力の高さは評価していました。移行後のAWS運用においても、運用自動化サービス(Cloud Automator)によるコスト削減や、AWS運用最適化サービス(CSM:カスタマーサクセスマネージャー)などでも継続的に支援をしてもらっています」
Amazon QuickSightの導入プロジェクトは2021年3月にスタートし、まず初期セットアップとしてアカウントの作成、 Active Directory認証 の設定、VPC接続設定などを実施しました。その後は4月から6月にかけて、いくつかのサンプルダッシュボードを作成。7月には運用評価を実施して、経営層やマネジメント層にダッシュボードの公開を開始しました。
「サーバーワークスには一連の工程全般のサポートのほか、ダッシュボードを閲覧ユーザーにメールを配信する設定 などをお願いしました。月1回の定例会やプロジェクト管理ツールでコミュニケーションを行いましたが、私たちの質問に対する回答は迅速で、プロジェクトはスムーズに進行しました」(中井氏)

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ダッシュボード上で営業実績などを可視化しデータを活用した高度な意思決定が実現

現在、Amazon QuickSightは管理者権限を持つ情報システム部の担当者がメインで利用し、経営層やマネジメント層からのリクエストに応じてダッシュボードを作成、公開しています。ダッシュボードの数は、2023年8月時点で約25種類。ダッシュボード上の情報は1時間ごとに自動更新され、必要に応じて主要な閲覧ユーザーにメールで配信しています。
「Amazon QuickSightの運用を開始して以来、一番熱心に活用しているのは経営トップである社長です。これまでは商品の在庫情報などはExcelでしか確認できませんでしたが、Amazon QuickSightならダッシュボード上でひとめで確認できます。近年、当社が力を入れているヘアケア商品や美容機器など新商品の販売動向にも目を光らせ、さらにECサイトや卸事業それぞれの売上などもチェックしながら、営業実績の評価や新たな戦略の企画・立案に活かされています」(石川氏)
この他にも、マーケティングキャンペーンを実施した際の媒体別流入数やエリア別の反応、テレビCMに対する反響などをダッシュボード上で視覚的に把握できるほか、サービス部門ではアフターサービスなどに関するアンケート結果を集計し、顧客満足度を可視化してサービスの改善に役立てるなど、Amazon QuickSightの用途は拡大しています。
「Amazon QuickSightがもたらした最大の成果は、社長を筆頭に各部門のマネジメント層がデータに基づく高度な意思決定を行えるようになったことです。これにより、たとえばECビジネスではショッピングモール別の売上動向に応じて商品を変更したり、ECサイトと実店舗の両方を活用するお客様の購買動向を分析したりすることで、売上に貢献できるようになっています」(石川氏)
またAmazon QuickSightの導入は、旧BIツールの課題であったコストの最適化にもつながっています。
「ライセンス料が高額だった旧BIツールと比べて、月額で35%のコストを削減することができました。これまでは使いこなせない状態のまま定額の料金を支払っていましたが、現在は従量課金なので無駄もなくなっています」(中井氏)

ダッシュボードの作成権限を現場に拡大しAmazon QuickSightの投資価値を向上

今後について、アデランスではAmazon QuickSight上でダッシュボードを作成する権限を本社や地域の営業部門などにも拡大し、現場レベルでの浸透を図っていく方針です。
「私たち情報システム部でも、まだまだ使いこなせていない機能がたくさんあります。現場レベルでの活用が拡大することで、Amazon QuickSightの投資価値が高まり、ビジネスの成長にもつながるはずです」(石川氏)
一方、同社ではAmazon QuickSight以外のAWS活用においても、AWS GlueによるETL処理やAmazon SageMakerによる機械学習モデルの導入なども検討しています。

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「CSMの定例会においても、サーバーワークスからはさまざまな提案をいただいています。新しいサービスが次々とリリースされる中で、私たちだけですべての情報をキャッチアップすることは容易ではありません。サーバーワークスには、今後もさらなる支援を期待しています」(中井氏)
「生まれ変わる」をテーマにした特命プロジェクト「NEXT ADERANS」を2022年に発足し、DXを担う情報システム部門を国内事業本部の傘下に統合したアデランス。Amazon QuickSightを活用したデータドリブン経営によるトータルウェルネスカンパニーへの変革に向けて、同社はさらなるチャレンジを続けていきます。

担当エンジニア紹介

竹本 佳史
アプリケーションサービス部 インターナルエデュケーション課
竹本 佳史
基幹系/Web系システムのバックエンド開発を経験後、ユーザー系SIerのサーバー運用およびAWS導入プロジェクトに従事。2020年にサーバーワークスに入社後はAWS移行・サーバレス・ビッグデータ案件を複数経験し、これからクラウドを本格利用されるお客様のDX支援を多数担当。
2020, 2021, 2022, 2023 AWS All Certifications Engineersに選出。
好きなAWSサービスはManagement & Governanceに分類されるもの全般。
今はサーバーワークスのエンジニアが顧客の期待に応え続けられるための仕組みを設計しています。

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