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後処理時間(ACW)を9分から2分へ短縮。1人当たりの受電数25%アップを実現した「Amazon Connect」活用事例

導入事例(株式会社ヤオコー様)

埼玉県を中心に195店舗(2025年3月末時点)の食品スーパーマーケットを展開し、36期連続「増収増益」を達成している株式会社ヤオコー様。「お客様に接するお店が主人公である」という考えから、本社を"店舗を支えるサポートセンター"と位置づけています。そして、お客様の声を何よりも大切にするため、直接お客様の声を聞くコールセンター業務を自社で運営しています。2025年7月からは、業務効率化とオペレーターの負荷軽減を目的に、サーバーワークスの支援のもと、Amazon Connectとサーバーワークス独自のソリューションである「クラウドコンタクトワークスペース」を導入。お客様との会話を生成AIで自動要約する機能を活用し後処理時間(ACW)を短縮、オペレーターの負荷軽減と同時に応答率の向上を実現しています。

事例のポイント

Before

お客様の課題

  • 応答率向上を妨げるACWの負荷
  • オペレーターのスキルに依存する受電記録内容のばらつき
  • ベンダー依存の運用
  • 固定電話使用による物理的な拡張性の限界

After

課題解決の成果

  • ACWが平均9分から2分に短縮、1人当たりの受電数も1日当たり25%アップ
  • 生成AIによる文字起こし・要約により、履歴品質の標準化を実現
  • 自社主導で柔軟な運用体制を構築
  • PCとヘッドセットで展開できるソフトフォンで、制約のないスケーラビリティを実現

導入サービス

  • クラウドコンタクトセンター導入サービス for Amazon Connect

「お客様の声を直接聞く」 本社がコールセンターを内製化

ヤオコー様では、「本社は店舗を支えるサポートセンター」という考えのもと、お客様の声を直接受け止めるため、本社内に「お客様相談室」を設置し、コンタクトセンター(コールセンター)を内製で運営しています。店舗には直接伝えにくい不満や店頭での体験に関する声を、安心して届けられる窓口を本社に設け、お客様との信頼関係を守り、サービス改善につなげることを重視してきました。お客様相談室で統括マネジャーを務める柴田竜一氏は、「実は過去に約5年間、コールセンター業務を外部委託していた時期がありました。しかし、お客様がヤオコーに対してどのような思いを抱いているのかが十分に伝わってこないという課題を感じ、再び内製化に踏み切りました」と語ります。内製化の根底には、お客様の生の声を経営や現場の改善に活かしたい、というヤオコー様の強い思いがあります。

柴田 竜一氏

コンタクトセンターでは、苦情や要望を受け付ける回線に加え、ヤオコー独自の会員カードに関する問い合わせ専用の回線を運用しています。繁忙期には月7,000件超え、閑散期でも約3,000件の入電があり、オペレーター5名と管理者3名の計8名体制で運営しています。

現場の声とデジタル戦略が交差したAmazon Connect導入の背景

Amazon Connect導入の大前提にあったのは、通話内容の文字起こし・要約とCRMへの自動連携によってACWを短縮し、応答率を向上させたいという明確な目的でした。オペレーターの負荷を軽減しながら、より多くのお客様の声に応えられる体制を実現することがねらいです。その背景には、ヤオコー様が2024年からサーバーワークスの伴走型支援サービスを採用し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を基盤としたクラウドネイティブ化を進めてきた流れがあります。デジタル統括部 プロダクト開発主事の山田聡美氏は、「社内のクラウド環境は、日々大きく変化しています。サーバーワークスとの取り組みを通じて内製開発力が高まり、Amazon Connectを活用したコールセンターシステム構築にも挑戦できる土台が整いました」と振り返ります。

山田 聡美 氏

導入検討のきっかけは、柴田氏から寄せられた相談でした。コンタクトセンターの業務フローは、入電対応から応対(含エスカレーション)、対応後に情報入力や確認・報告を経て完了し、次の受電へと進みます。現場では、通話後のPCへの入力作業が負担となり、オペレーターには「早く、正確に記録しなければならない」という心理的プレッシャーが常にかかっていました。「入力作業は得意不得意があり、入力スピードもレポートの品質にも個人差が生じていました。ACWを短縮し、オペレーターの負荷軽減とレポート品質の標準化を目的に、CRM連携や自動文字起こし・要約ができる仕組みを導入できないかと、デジタル統括部に相談したのです」(柴田氏)。

この相談を受け、デジタル統括部では「生成AIによる自動要約で現場の負担を軽減できるのではないか」と考えるとともに、Amazon Connectを中核に音声のテキスト化、要約作成、CRM連携までを一気通貫で実現する新たなコールセンター基盤の構築を構想しました。今回のプロジェクトは、コンタクトセンターの目前の課題解決にとどまらず、「クラウド上に音声基盤を構築し、対応履歴のデータ蓄積を自動化することや、その先の高度データ活用につなげたい」という前向きな動機からスタートしています。そのため山田氏は、「周辺システムとの柔軟な連携や、自社でメンテナンスできる点も評価ポイントでした」と語ります。

最終的な決め手は、Amazon Bedrockを活用した要約精度です。「お試し導入で要約精度を確認し、実用性を確信しました」と山田氏。加えて、柴田氏は「ソフトフォンの採用も大きな魅力でした。固定電話特有の遅延が解消された上、PC上での応対に切り替わったことで、オペレーターのストレスが軽減されました。また、電話をおかけになったお客様
に『現在、●人がお待ちです』といった自動音声案内を流せる点も、『電話がつながらない』という不満を和らげる有効な仕組みだと感じました」と言います。既存の業務フローを大きく変えずに導入できる点も、現場にとっては重要でした。こうして、2024年10月に始まった本プロジェクトは、要件定義やお試し導入を経て、2025年7月から本格運用されています。

9分から2分へ! ACWの短縮で受電数は25%アップ。課題解決を超える想定外の効果も

Amazon Connectの導入により、現場には明確な効果が表れました。

1. ACW短縮による応答率の向上
最も顕著な導入効果は、ACWの劇的な短縮です。生成AIによる自動文字起こし・要約機能の活用により、通話後のACWは1件当たり平均9分から2分へと大幅に短縮。従来、長時間の通話内容をまとめるのに30分以上を要していた入力作業が、ほぼ解消されました。その結果、オペレーター1人当たりの1日平均受電数は28件から35件へと約25%増加しています。柴田氏は、「ACWが改善されたことで次の受電までの間隔が短くなり、結果として『電話がつながる』体験を提供できるようになりました」と語り、顧客満足度への直接的な効果を実感しています。

定量効果

2. 記録品質の平準化と客観性の確保
ACW短縮と同時に重視していたのが、記録品質の平準化です。従来は、オペレーターの経験や主観によって要約内容にばらつきが生じていましたが、生成AIが一定の基準で要約を行うことで、客観性の高い履歴管理が可能になりました。「要約に不足があっても文字起こしデータにさかのぼれるため、管理者としても正確な振り返りができます」(柴田氏)。

3. オペレーターの心理的負担の解消
オペレーターに精神的な余裕が生まれたことも大きな成果です。自動文字起こしと高精度な要約により、「正確な記録を素早く行わなければならない」というプレッシャーから解放され、オペレーターは次の電話を落ち着いて受けられるようになりました。山田氏は、「導入から半年ほどで、『この機能がないと業務が回らない』という声が現場から上がるほど定着しています」と、生成AI活用が日常業務に不可欠な存在になっていることを実感しています。

4. 内製化による利便性の向上
IVR(自動音声応答)やアナウンス設定を自社で即座に変更できるようになったことも大きなメリットです。「以前はベンダー依存で時間がかかっていた設定変更が、今では自分たちで即時対応できるようになりました」と柴田氏。「現在●人がお待ちです」といった待機案内など、顧客配慮を反映した改善を主体的に実行できる体制が整いました。また、対応窓口によって応対時間やアナウンス内容が異なる場合もPC上で簡単に設定できることや、どの窓口への入電かをPC上で即座に判別できることなど、視覚的に一元管理できるようになり、運用効率は大幅に向上しました。

「導入効果は、コンタクトセンター外にも波及した」と、山田氏は言います。従来は、お客様が「代表電話番号」へお電話をされた際、別部門の担当が一次受けし、お客様相談室へエスカレーションする必要がありました。そこで、代表電話番号の受電の仕組みを見直しつつ、Amazon Connect の既存基盤を柔軟に活用することで、お客様の問い合わせがスムーズにオペレーターへ連携される体制を構築することができました。さらに、この仕組みはホールディングス化に伴う新会社設立時にも横展開が可能でした。Amazon Connect の導入プロジェクトが、業務効率化だけでなく組織を超えて寄与した事例となっています。

定性効果

サーバーワークスの伴走支援が実現した、既存環境へのスムーズな統合

Amazon Connectの導入に当たり、サーバーワークスはヤオコー様が掲げる方針を深く理解した上で、技術と運用の両面から伴走支援を行いました。特に重視したのは、要約の精度です。事前に本物の対応音声を入手し、その要約をヤオコー様に提示しました。また、CRMとのカスタマイズ連携も、業務に支障が出ないよう調整しました。

サーバーワークスの技術担当である池田は、「自社ソリューションの『クラウドコンタクトワークスペース』をヤオコー様向けにカスタマイズし、既存の運用フローを大きく変えずに使えるよう、現場の使い勝手を最優先に設計しました」と語ります。Amazon Connect専任の丸山も、「内製化したいというご要望では、お客様の気持ちを第一に考えていらっしゃることが印象的でした」と振り返ります。営業担当の中嶋は、「最も気にしていた要約の精度に高い評価をいただけて、この取り組みへの手応えを感じています」と言います。技術担当の吾郷も、「社内でどんどん施策を進められていて、ヤオコー様の内製化は加速しています」と目を見張ります。

山田氏は、「サーバーワークスは弊社のガバナンスやネットワーク規則、アカウント管理の考え方までしっかり理解した上で提案してくれます。『自分たちでできることは内製で行う』という私たちの姿勢を尊重し、自走を支援してくれる点に、強い信頼を寄せています」と話します。

柴田氏も、「既存の運用フローを崩さず、必要な機能だけを的確に追加できたことで、現場に混乱はありませんでした。文字起こしや要約の精度も高く、内容確認がしやすいため安心して使えています。サーバーワークスは問い合わせにも非常に早く対応してくれました」と、スムーズにシステムを切り替えられたことを評価しました。

運用高度化とAI活用を見据え、次のステージへ

Amazon Connectの導入により、ヤオコー様はコンタクトセンターの業務効率化、品質向上、そして柔軟な運用体制を実現しました。お客様相談室が次に見据えているのは、ACWのさらなる負荷軽減に加え、管理者側の業務負担の削減です。「管理者にとって時間と労力を要するのは、モニタリングとオペレーターのパフォーマンス評価です。特にパフォーマンス評価に関しては、Amazon Connectに備わる音声データを活用して、平等で公平な評価を実現したい」と、大きな期待を寄せています。

クラウドネイティブ化を進める山田氏は、今後も進化、更新されていく生成AIなどの最新技術をAWS全体で業務に適応させ、データ分析を通じて、店舗やその先にいるお客様にいっそう寄り添った施策につなげていく考えです。「Amazon ConnectやAWSの技術動向をキャッチアップするたびに、今後どのような新しい価値が生まれていくのか非常に楽しみにしています。内製化を推進している立場から、技術の変化にしっかり追随しながら主体的に運用を成長させていきたいと考えています。その上で、AWSのプロフェッショナルであるサーバーワークスの皆様には、高い技術力と深い知見で引き続き伴走いただけることを期待しています」と語ります。
柴田氏は、他社のコールセンターに向けて、「業務委託やシェア型コールセンターでは、CTIがクライアント依存になりがちですが、コールセンター自身がAmazon Connectを導入することで、現場の非効率は大きく解消できます」とメッセージを送ります。

山田氏・柴田氏

自動文字起こしと高精度な要約、CRMとの柔軟な連携により、オペレーターのスキル差による記録品質のばらつきが標準化され、現場・管理者の双方にとって大きなメリットがあることを実感しての言葉であり、サーバーワークスにとってもうれしい評価です。サーバーワークスは今後も、技術の進化を現場の価値へと変えるパートナーとして、ヤオコー様の挑戦を支え続けていきます。

導入事例(株式会社ヤオコー様)

株式会社ヤオコー様

1890年創業、埼玉県を中心に195店舗(2025年3月末時点)を展開し、連結従業員数3万人以上の大手食品スーパーマーケットチェーン。「豊かで楽しく健康的な食生活を提案する」を経営方針に掲げ、消費者から信頼される商品開発やサービス向上に取り組んでいる。オリジナル商品の開発にも力を入れ、単なる商品の提供にとどまらず、食を通じて豊かな暮らしを提案し続ける姿勢が多くの顧客に支持されている。2025年10月、ヤオコーグループは、ブルーゾーンホールディングスの下に事業会社が連なるホールディングス体制へと移行。その中核会社として、2027年3月期を最終年度とする第11次中期経営計画では、事業構造の転換をテーマに各種施策に取り組み、自社の強みを結集してより大きな価値を生み出すことを目指している。

取材に協力いただいた方々

柴田 竜一 氏
株式会社ヤオコー リスクマネジメント室 お客様相談室 統括マネジャー
山田 聡美 氏
株式会社ヤオコー デジタル統括部 プロダクト開発主事

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

担当プロジェクトメンバー

  • 中嶋 麻衣子

    アプリケーションサービス本部 営業課 課長 中嶋 麻衣子

    2010年からサーバーワークスに所属しており、一貫してAWS周辺の営業を担当しています。
    現在はデータ分析基盤やIoTプラットフォームの構築、Amazon Connect の導入やIVR自動化の構築などをメインにご提案しています。
    趣味は三線演奏、ゴルフ、プロ野球観戦で、もっぱらオンシーズンは神宮球場に出没しています。

  • 丸山 麻衣子

    Amazon Connect専任担当 丸山 麻衣子

    職種のボーダーラインなく、Amazon Connectでもっとはたらきやすくなるための活動を遂行。
    Amazon Connect界では通称YouTubeの人。

  • 吾郷 亮太

    アプリケーションサービス本部 ディベロップメントサービス2課 吾郷 亮太

    アプリケーションサービス本部 ディベロップメントサービス2課に所属。
    Amazon Connect の導入支援、通話要約機能の導入、Web アプリケーション開発を担当。
    お客様の業務課題を解決し、長く使い続けていただけるシステムの実現を目指しています。

  • 池田 智耶

    アプリケーションサービス本部 ディベロップメントサービス2課 池田 智耶

    アプリケーションサービス本部 ディベロップメントサービス2課に所属。
    Amazon Connect の導入支援、Amazon Lexによる発話意図ベースのルーティング、通話要約機能の導入、生成AIチャットのバックエンド開発を担当。
    新技術を素早く取り込み、現場で日常的に使っていただけるシステムづくりを重視しています。

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