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Amazon Qとは?主なユースケースやサービスの種類、料金体系

Amazon Qとは?主なユースケースやサービスの種類、料金体系

アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する「Amazon Q」は、近年、急速に発展する代表的なAIサービスの1つです。多様なAIサービスが提供されていますが、Amazon Qはそのなかでも特に企業向けに設計されているのが特徴で、今後ビジネスシーンにおけるメインストリームになる可能性があります。今回は、Amazon Qの特徴とユースケース、サービスの種類などを網羅的に解説します。

「AWSの概要を詳しく知りたい方はこちら」

この記事でわかること

  • AmazonQの基本的な機能やセキュリティ対策、企業データの活用方法
  • EC2インスタンスの最適な選定、ヘルプデスク対応、ナレッジマネジメントといった具体的なユースケース
  • Amazon Qと連携する製品の特徴、各種料金体系のポイント

※当記事は2025年2月に書かれたものであり、以後に展開された最新情報が含まれていない可能性がございます。

Amazon Qに関する基礎知識

Amazon Qは、AWSが提供する企業向けのAIアシスタントサービスであり、企業が保有する各種データソースやドキュメント、BIツール、クラウドリソースを安全に活用するために設計されています。ユーザーが入力する自然言語のクエリに対して、内部の情報を元に回答やコンテンツ生成を行うため、無料生成AIで懸念される情報漏洩リスクを回避できます。

また、AWS IAMとの連携、AWS LambdaやAWS CDKを用いた自動化支援、さらにはIDE上でのコードレビュー機能など、開発者やエンジニアが直面する課題を解決するための多彩な機能を提供し、AWSを活用するユーザーが総合的に使える生成AIツールとなっています。

Amazon Qにおける主なユースケース

Amazon Qは、企業内のさまざまなタスクを自動化し、開発者やエンジニアが効率的に業務を遂行できるよう支援するツールです。具体的なユースケースと共に解説します。

Amazon EC2インスタンスの選定

背景と課題:
Amazon EC2は、多種多様なインスタンスタイプを提供しており、CPU、メモリ、ストレージなど性能が異なる組み合わせを選択する必要があります。使用するアプリケーションや実行するタスクに応じて最適なインスタンスタイプを選択する際、コーディングやシステム構築の知識だけでは判断が難しい場合があります。

Amazon Qの活用ポイント:
ユーザーは、Amazon Qに現在のタスク内容や必要な性能、さらには使用するリージョンやクラウドサービス環境の情報を入力することで、最適なAmazon EC2インスタンスを自動的に提案してもらえます。
これにより、エラーの発生リスクを低減し、セキュリティやトラブルシューティングの負担も軽減します。

ヘルプデスクの問い合わせ対応

背景と課題:
企業内での問い合わせ対応は、従業員や従業員向けサポートの重要なタスクですが、問い合わせ内容は多岐に渡り、時にはドキュメントの参照やトラブルシューティングが必要になります。
従来のシステムでは、手動での検索や設定変更、さらにはAWS IAMの権限確認など、時間と労力を要する作業が多く発生していました。

Amazon Qの活用ポイント:
Amazon Qは、自然言語による質問応答機能を活用し、クリック操作一つで関連するドキュメントやコード、さらにはシステム設定情報を表示可能です。
問い合わせ対応だけでなく、資料のダウンロードやコンソール上でのタスク自動実行なども可能です。これにより、コンタクトセンターの効率化や運用の自動化、さらには追加のトラブルシューティング機能としても活用できます。

ナレッジマネジメント

背景と課題:
社内に蓄積されたドキュメント、開発者が記録したコードレビュー、さらには各種BIツールで作成されたダッシュボードやインサイト情報は、情報資産として非常に重要です。
しかし、多種多様なデータソースから必要な情報を抽出するのは、手作業では手間がかかり、選択ミスやエラーが発生しやすい状況にあります。

Amazon Qの活用ポイント:
Amazon Qは、自然言語でのクエリを用いて、社内の各種データソースやドキュメント、さらにはInventやAppsで管理される情報を瞬時に検索・表示します。
コーディング支援機能やコード生成機能により、IDE上での作業効率を向上させるとともに、セキュリティや権限設定の確認、さらにはAWS環境内のAmazon S3やクラウドリソースの統合管理も可能となります。

Amazon Qの種類

Amazon Qは、企業の多様なニーズに対応するため、5つの主要な製品ラインで構成されています。それぞれの製品は、機能や使用シーンが異なり、開発者、エンジニア、情シス担当者などのさまざまなユーザーに向けた最適なツールとして提供されています。

Amazon Q Business

概要:
ビジネス全般で活用できるサービスとして、チャット形式で幅広い業務サポートを実現します。
主な機能として、チャットでの質問による課題解決、出力結果の情報源の参照、コンテンツの作成、社内データやドキュメントの検索が挙げられます。

特徴:
*セキュリティが高く、入力情報は生成AIの学習に使用されないため、機密性の高い情報を安全に扱えます。
*Amazon Q Business Proなどの上位プランにより、より詳細なカスタマイズや追加のアップグレード機能が利用可能

Amazon Q Developer

概要:
Amazon Q Developerは、開発者向けのサービスとして、AWS CDKやAWS Lambdaなどのクラウドネイティブな開発環境に統合され、コード生成や自動化支援を行います。Amazon Qとの連携により、自然言語でのクエリを用いて、IDE上でのコードレビューや自動化タスクの実行が可能になり、開発プロセスの効率化とエラー検出が強化されます。

特徴:
*IDE上でのコードレビューや、自然言語を用いた簡単なコーディング支援が可能。
*自動でコードの脆弱性や改善点を検出し、セキュリティ、コード品質を担保可能。

Amazon QuickSight

概要:
Amazon QuickSightは、クラウド上のデータソースやAmazon S3に格納されたデータを活用して、ダッシュボードやレポートを自動生成するBIツールです。Amazon Qとの連携により、ユーザーはチャット形式で直接データの検索やレポートのカスタマイズができ、直感的な画面表示と自然言語による問い合わせが統合された柔軟なBI環境が実現できます。

特徴:
*クリックやタスク実行により、直感的な画面表示で最新のインサイトを迅速に取得可能。
*自然言語による質問機能を搭載し、エラー発生時のトラブルシューティングやアップデート情報の確認が容易。

Amazon Connect

概要:
Amazon Connectは、コンタクトセンター向けのサービスとして、顧客との対話を自動化し、エージェントの作業効率を向上させるソリューションです。Amazon Qとの連携により、チャットや音声認識機能を活用した自然言語処理が統合され、問い合わせ内容の自動分類や最適な対応策の提示が可能になり、顧客対応の迅速化と業務負荷の軽減が図られます。

特徴:
*チャット、音声認識、自然言語による問い合わせ対応機能を搭載。
*Salesforce、Zendesk、ServiceNowなどの主要CRMとも連携可能。

AWS Supply Chain

概要:
AWS Supply Chainは、企業の物流や在庫管理、各種システムとの統合を実現するサプライチェーン管理支援サービスです。Amazon Qとの連携により、自然言語のクエリを使用してサプライチェーン関連のデータを瞬時に検索・解析できます。

特徴:
*RAGやKendraなどの先進機能を活用し、詳細なサプライチェーンのインサイトを迅速に提供。
*自然言語を利用して需要計画や在庫管理、トラブルシューティングなどのルーチン作業が自動化でき、業務効率が向上します。

Amazon Qの料金体系

Amazon Q Business の料金体系は、ユーザーごとのサブスクリプション料金と、従量課金制のインデックス料金という2軸で構成されています。初回利用時には無料トライアルが用意されています。

Amazon Q Businessの利用料金

Amazon Q Businessでは、サブスクリプション料金とインデックス(データを保存する場所)料金の2種類が発生します。

サブスクリプション料金:
Amazon Q Business Lite:月額3 USD、Amazon Q Business Pro:月額20 USD

インデックス料金(従量):
インデックスタイプは、Starter IndexとEnterprise Indexに分かれ、Starter Indexは1ユニット(データ単位)ごとに0.140 USD/時間、Enterprise Indexは1ユニットごとに0.264 USD/時間が適用されます。初回利用時には60日間の無料トライアル期間が設けられています。

Amazon Q Developerの利用料金

無料枠とProプランの料金体系が用意されています。基本的な機能が無料枠で利用可能です。

無料枠機能例:
*統合開発環境(IDE)や CLI におけるコード補完、チャットでの基本的な質問対応
*月間50回までのチャットインタラクション、10回までのタスク呼び出しなど

Amazon Q Developer Pro:
Proプランは「月額 19 USD/ユーザー」で利用可能です。無料利用枠で提供されるすべての基本機能に加え、各種制限が引き上げられます。

また、Amazon QuickSight、Amazon Connect、AWS Supply Chainはそれぞれサービスの利用に応じて所定の料金が発生します。

Amazon Qの運用と導入、料金を把握して活用しましょう

Amazon Qはクラウドサービス運用の自動化、Amazon EC2インスタンス選定などの多彩な業務を効率化します。Amazon Qの登場によって、AWSの運用ハードルは大きく下げられました。現在オンプレミス環境でシステムを運用する企業の方でも運用が容易です。しかしながら、システム移行にあたってはさまざまなリスクが存在します。システム移行にあたっては是非プロにお任せください。

オンプレミスからのAWS移行、システム構築、最適化を支援



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