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総合情報基盤システムのインフラをオンプレミスからAWSに全面移行AWSのマルチアカウント環境も構築しセキュリティとガバナンスを強化

導入事例(学校法人東北学院 東北学院大学様)

宮城県仙台市の中心部にキャンパスを構え、約1万2,000人の学生が在籍する東北学院大学。学内で稼働するシステムの基盤となる「総合情報基盤システム」を10年以上にわたってオンプレミス環境で運用してきた同学は、ハードウェアの運用保守の負荷や管理コストの軽減を目指してアマゾン ウェブ サービス(AWS)への移行を決定し、サーバーワークスに支援を要請しました。セキュリティとガバナンスが強化された新たなインフラ基盤の構築を終えた現在は、総合情報基盤システム上のアプリケーション移行を進めており、2026年初頭には移行が完了する予定です。

事例のポイント

Before

お客様の課題

  • 仮想サーバー環境のリプレース
  • オンプレミス環境の運用保守の負荷軽減
  • インフラリソースやコストの最適化
  • BCP(事業継続計画)対策

After

課題解決の成果

  • 総合情報基盤システムの安定運用を支える新たなインフラ基盤の構築
  • AWS移行による運用負荷の軽減、運用コストの削減、迅速なリソース提供
  • AWSのマルチアカウント環境によるセキュリティとガバナンスの確保
  • AWS Security Hubによる継続的なセキュリティ強化

導入サービス

運用負荷の軽減ほか、BCP対策も踏まえ総合情報基盤のクラウド移行を決断

1886年に開校された私塾「仙台神学校」を起源とし、東北最大規模の私立総合大学として、新たな時代を切り開く人材育成に力を注ぐ東北学院大学。2023年には都市型の「五橋キャンパス」を開設し、「土樋キャンパス」と一体となったONE CAMPUSとして、新たな教育・研究の場へと進化しています。
同学では、それまで業務単位で利用してきたサーバー群を2014年に仮想化して統合し、「総合情報基盤システム」として運用を開始しました。総合情報基盤システムは、ID・認証認可管理、統合データベースなどのシステムが稼働する基盤で、外部のデータセンターで稼働する教学系システムや、財務・人事などの法人系システムとも連携しています。
これまで2度にわたってサーバーやデータベースの更新を行ってきた総合情報基盤システムですが、そこで発生する機器の調達やベンダー調整などは大きな負担となっていました。3回目の更新のタイミングでクラウドへの移行を決断した理由について、情報システム部 情報システム課 係長の熊谷求己氏は次のように話します。

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東北学院大学
情報システム部 情報システム課 係長
熊谷 求己 氏

「クラウド移行によって、運用保守の負荷軽減だけでなく、リソースやコストの最適化、BCP(事業継続計画)対策などに取り組むことができます。その頃、外部連携している教学系システムや法人系システムのクラウド化が進められていたこともあり、データセンターの契約終了も見据えて検討を開始しました」

「AWSクラウドエコノミクス」で移行後のコストを定量的に評価

新たなクラウド基盤については、複数の候補の中からアプリケーションを担当する既存ベンダーの開発実績などを考慮してAWSを中心に検討しましたが、ネックとなったのがコストでした。そこでサーバーワークスの支援を通じて、AWSのアセスメントサービス「AWSクラウドエコノミクス」で移行後のインフラコストを定量的に評価したところ、オンプレミス環境よりもコストを抑制できる見通しが立ったことからAWSの本採用を決定し、インフラの移行支援をサーバーワークスに依頼しました。

「スケジュールを考慮すると、土台となるインフラ基盤の構築は短期間で終えなければなりません。サーバーワークスさんはAWSのプレミアティアサービスパートナーとしての信頼があり、移行支援の実績も豊富です。既存環境のアセスメントを実施していただいた経緯もあり、将来的なコスト最適化の期待も込めて支援をお願いしました」(熊谷求己氏)

AWSのマルチアカウント環境でセキュリティとガバナンスを確保

インフラ基盤の構築は、2024年11月から2025年3月にかけて実施。約5カ月で要件定義から設計、構築までを完了しました。現在は総合情報基盤システム上のアプリケーションの移行作業が継続しており、2026年初頭までに完了する予定です。
新たなインフラ基盤の重要な要件となったのは、AWSのマルチアカウントによるセキュリティとガバナンスの確保です。総合情報基盤システム上では、複数のアプリケーションベンダーが各システムの開発・運用を担当しており、互いの領域にアクセスできない仕組みが必要でした。情報システム部 情報システム課 課長補佐の熊谷丈晃氏は次のように話します。

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東北学院大学
情報システム部 情報システム課 課長補佐
熊谷 丈晃 氏

「既存のオンプレミス環境でもベンダー単位でセグメント化していましたので、サーバーワークスさんには各ベンダーがAWS環境を安全に利用するためのマルチアカウントの構築とVPCの分離をお願いしました」
具体的には、AWS OrganizationsとAWS Control Towerでマルチアカウント環境を構築したうえで、サービスコントロールポリシー(SCP)を適用。SCPでは特定のAWSリージョンだけでの運用に制限する設定を行い、想定外のコストが発生しない工夫をしています。さらに、マルチアカウント環境下にはAWSのセキュリティ管理を一元化するAWS Security Hubを導入し、継続的に改善できるようにしました。
もう1つの要件は、学術情報ネットワークSINETとAWSの接続です。マルチアカウント環境下のVPCからSINET経由で外部のオンプレミス環境へアクセスする仕組みについては、専用線接続のAWS Direct ConnectとクラウドルーターのAWS Transit Gatewayを活用し、セキュアかつ確実な接続を実現しています。
プロジェクト期間中は、月2回の定例会で進捗や残課題などを整理しながら確実な遂行を目指しました。円滑なコミュニケーションと確実なプロジェクトマネジメントによってスケジュールの遅延はなく、インフラの構築プロジェクトは計画通り終了しました。
「今回はアプリケーションベンダーも含めたマルチベンダー体制のプロジェクトでしたので、サーバーワークスさんにはセカンドオピニオンとしての役割も期待していましたが、判断に迷った際も的を射たアドバイスをいただくなど、本当に頼りになる存在でした」(熊谷丈晃氏)

AWSの定額割引などを活用しながらさらなるコスト最適化を推進

総合情報基盤システム上のアプリケーション移行は現在も継続しているため、本格的な効果測定は2026年以降となりますが、運用保守の負荷軽減、コストの削減、迅速なリソース提供など、当初想定した通りの成果が実現する見込みです。冗長性についてもマルチAZとマルチリージョンにより大幅に強化されています。
「移行直後のためAWSの料金は従量課金を採用していますが、全システムの移行完了後は定額割引のリザーブドインスタンスやSavings Plansに切り替えることも検討しています。また、サーバーワークスさんに提供いただくCloud Automator(AWS運用自動化ツール)を活用したコスト最適化も実施していく予定です。運用面でも、いずれは自分たちでAmazon EC2インスタンスの追加やリソースのコントロールをしていきたいと思います」(熊谷求己氏)
今後については、オンプレミスで運用しているその他のシステムのクラウド移行も加速していく計画です。さらに、学校法人東北学院が運営する中学や高校で利用しているシステムについてもクラウドに移行し、インフラコストの低減に貢献する構想も描いています。さまざまな計画がある中、サーバーワークスの支援には大きな期待を寄せています。
「AWS環境に移行後、サーバーワークスさんには総合情報基盤システムの24時間365日対応の運用代行・監視を依頼しています。AWS活用の取り組みはまだ始まったばかりですが、今後も高度な知見で継続的な支援をお願いできればと考えています」(熊谷丈晃氏)

導入事例(学校法人東北学院 東北学院大学様)

学校法人東北学院 東北学院大学様

初代院長の押川方義氏とアメリカ・ドイツ改革派教会宣教師W・E・ホーイ氏により1886年に「仙台神学校」として設立し、1891年に東北学院と改称。1949年に新制大学として東北学院大学が発足した。建学の精神を「個人の尊厳の重視と人格の完成」とし、文化の発展と福祉に貢献する人材の育成を目指している。東北最大の総合大学として9学部15学科、6研究科12専攻を擁し、地域に根ざした教育を行っている。

取材に協力いただいた方々

熊谷 丈晃 氏
学校法人東北学院 東北学院大学 情報システム部 情報システム課 課長補佐
熊谷 求己 氏
学校法人東北学院 東北学院大学 情報システム部 情報システム課 係長

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

担当プロジェクトメンバー

  • エンタープライズクラウド本部 アカウントセールス課 菊澤健

    前職では公共分野でのインフラSE、営業を経験。サーバーワークス入社後は営業として、民需分野ではエンタープライズ系のお客様を中心に担当し、公共分野では中央省庁や自治体、文教系のお客様を幅広く担当。趣味はサッカー観戦(ベガルタ仙台)とマラソン(フルマラソン6回完走)、ラーメン食べ歩きです。

  • エンタープライズクラウド本部 ソリューションアーキテクト課 磯谷洋輔

    前職ではインフラエンジニア、アプリケーションエンジニア、PMを経験。サーバーワークス入社後はインフラ構築案件のPMとして活動。
    仙台在住。趣味はスポーツ観戦(仙台89ers)。2024-2025 Japan All Certifications Engineers。

  • エンタープライズクラウド本部 ソリューションアーキテクト課 竹村綾香

    前職ではオンプレミス環境におけるネットワーク運用保守や移行プロジェクトに従事。クラウドを含めインフラ全体に携わりたい思いからサーバーワークスへ入社。入社後はインフラ構築案件にて、VPCやEC2、Transit Gatewayなど幅広いサービスの設計・構築を担当。好きなAWSサービスはAWS Transit Gateway。趣味はラーメン(特にラーメン二郎)

  • エンタープライズクラウド本部 ソリューションアーキテクト課 阿部伊織

    前職ではデータセンターでのサーバー保守・運用や、庁内基幹システムの運用など、公共分野のインフラSEを担当。
    ガバメントクラウド関連の支援をきっかけにクラウドに興味を持ち、サーバーワークスへ転職。
    現在は主に、Amazon FSx for Windows File ServerやAmazon FSx for NetApp ONTAPを用いたオンプレミスファイルサーバーのAWS移行案件の設計・構築を担当。
    福島在住。趣味はドライブで、県内各地の美味しい食べ物や絶景を求めて走り回っている。

  • エンタープライズクラウド本部 ソリューションアーキテクト課 櫻井誠大

    2021年に新卒入社。VPCやEC2のインフラ構築案件を経て、現在は主にAWS OrganizationsやControl Towerを用いたマルチアカウント環境の構築・運用支援を担当。
    好きなAWSサービスはAWS Transit Gateway。趣味は登山で、好きな山域は八ヶ岳。

  • エンタープライズクラウド本部 クラウドリライアビリティ2課 荒井泰二郎

    前職でも AWS を利用していたが、もっと AWS に関わっていきたいという想いからサーバーワークスへ転職。
    VPCやEC2を利用したインフラ構築案件を経て、現在は主にエンタープライズのお客様への支援や Amazon WorkSpaces や Amazon AppStream を用いた案件を担当。
    昨年夏からジムに通い始め、現在も継続中。好きなAWSサービスは Amazon RDS。2025 Japan All Certifications Engineers。

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