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女性向けWEBメディアのAWSインフラをクラウドネイティブのアーキテクチャで刷新。統合アカウント管理基盤との連携によってガバナンスとセキュリティの強化も実現

導入事例(株式会社ハルメクホールディングス様)

50代からの女性の暮らしを豊かにするためのコンテンツ事業、通販事業、店舗事業、コンサルティング・広告代理事業など、多様なビジネスを展開する株式会社ハルメクホールディングス。同社はアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で運用してきたWEBメディアのインフラ基盤をクラウドネイティブのアーキテクチャで刷新するにあたり、サーバーワークスに技術支援を要請。WEBメディアのスムーズな移行と同時に、AWSアカウントの統合管理によるガバナンスとセキュリティの強化を実現しました。WEBメディアは2024年12月に「HALMEK up」としてリニューアルされ、記事・動画・イベント・コマースなど多彩なサービスを提供するより魅力的なプラットフォームへと進化しています。

事例のポイント

Before

お客様の課題

  • 将来を見越したWEBメディアのアーキテクチャのモダナイゼーション
  • 拡張性に優れ、運用性の高いインフラ基盤の構築
  • 多くの個人情報を取り扱うWEBメディアのガバナンスとセキュリティの強化

After

課題解決の成果

  • WEBメディアの安定運用による事業への貢献
  • アカウント統合管理基盤との連携によるガバナンスとセキュリティの強化
  • インフラ基盤のパフォーマンス、拡張性、柔軟性の向上
  • AWSコストの最適化

将来を見据えた先行投資としてWEBメディアのインフラ基盤を刷新

シニア世代の女性の暮らしを豊かにするさまざまな情報、商品、場を提供するハルメクホールディングス。特にコンテンツ事業では、約47万部の発行部数(日本ABC協会発行社レポート:2024年7月~12月)を誇るライフスタイル雑誌「ハルメク」、またオリジナルコンテンツ満載のWEBメディア「HALMEK up」が大きな支持を得ています。
WEBメディアは2018年に雑誌の公式サイトとして「ハルメクWEB」がスタートし、その際にコストや拡張性を考慮してAWSをインフラ基盤に採用しました。4年後の2022年には月額定額制の新サービスを追加して「ハルメク365」としてリニューアルしましたが、このアーキテクチャやCMS(コンテンツ管理システム)はハルメクWEBの環境をそのまま引き継いだことから、将来を見据えたインフラ基盤の再構築が継続課題となっていました。執行役員(CIO・システム管掌)システム部長の森丈生氏は次のように話します。

「雑誌のメインターゲットが65歳以上のアクティブシニアかつアナログ世代であるのに対し、WEBメディアでは50~60代のプレシニアかつデジタル世代をターゲットとしています。現在も雑誌がコンテンツ事業の主力であることに変わりはないものの、将来を見据えた先行投資としてWEBメディアの強化は欠かせません。そこで最新のクラウドネイティブのアーキテクチャで刷新し、多様なコンテンツ提供に対応できるプラットフォームの再構築を目指すことにしました」

統合管理基盤を活用したスムーズな導入と多層防御によるセキュリティ強化

WEBメディアのインフラ基盤を再構築するパートナーについては、2022年から2023年にかけて実施した基幹システムのAWS移行プロジェクトでの実績を評価して、サーバーワークスに支援を要請しました。
「今回のプロジェクトでは、コンテナやマネージドサービスを採用してインフラ基盤のモダナイゼーションを図る一方、WEBメディアでは多くのお客様の個人情報を取り扱うため、ガバナンスやセキュリティも強化する必要がありました。またCMSも同時に刷新することから、インフラ側から見たアプリケーションのセキュリティに関するアドバイスにも期待しました」(森氏)
プロジェクトは2023年6月にスタートし、2024年5月に無事に切り替えを完了して新たなAWSアーキテクチャ上で「ハルメク365」の運用がスタートしました。サーバーワークスが担当したインフラ基盤の領域では、まず Amazon Elastic Container Service (ECS) を利用したコンテナ環境の構築とWEBメディアの移行を実施しました。加えて、2023年8月に完了した基幹システム移管プロジェクトの際に構築した AWS Organizationsによる統合管理基盤との連携も行いました。
特にサーバーワークスはセキュリティの「多層防御」を重視し、WAFや脅威検出、脆弱性スキャンなどを組み合わせた構成を提案しました。各アカウントのセキュリティツールをセキュリティアカウントにおいて一元管理し、脅威の監視から緊急通知までの仕組みを構築しています。これによりリリース前に重大な脆弱性を能動的に特定・解消し、セキュアなサービスインを実現しました。

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新たに構築したWEBメディアのインフラ基盤の概要

プロジェクトでは、サーバーワークスとアプリケーションベンダーの連携も重要なポイントとなりました。今回はCMSを全面刷新したことから、アプリケーション領域での新たなAWSアーキテクチャの設計やセキュリティ・ガバナンス対応が発生し、高負荷時のリソーススケーリングやWAF導入によるアプリケーションへの影響確認やルールを保守するための運用体制も必要になりました。この点についても、アプリケーションベンダーの担当領域も含めたサーバーワークスの能動的な提案によって、スケジュールを遅延させることなく完遂することができました。

システム部 システム開発課 シニアフェローの遠藤隆治氏は「過去のプロジェクトではインフラ基盤の構築に想定以上の時間がかかり、アプリケーション開発に影響が出たことがありましたが、今回はインフラ構築を前倒しで対応していただけたおかげで、アプリケーション開発に時間を割く余裕が生まれました」とサーバーワークスの支援を評価します。

新たなコンテンツプラットフォーム「HALMEK up」へリニューアル

インフラ基盤の再構築を終えた6カ月後の2024年12月には「ハルメク365」から現在の「HALMEK up」へのリニューアルを実施。ここではオリジナルコンテンツの充実を図り、スマートフォンで閲覧しやすい縦型動画を新たに導入するなど大きな進化を遂げています。
森氏は「HALMEK upへのリニューアルにおいては、再構築時点で適応性の高いアーキテクチャを採用したことが奏功し、インフラ部分に大きく手を加えることなくスムーズに切り替えることができました。リニューアル後もセキュリティに関するトラブルやアクセスが集中する際のパフォーマンスの低下などはなく、安定稼働を続けていることは大きな成果です」と振り返ります。同様に遠藤氏も「HALMEK upの安定稼働によって、事業部側も安心してコンテンツの拡充や新たな会員獲得などに取り組むことができます」と手応えを感じています。
AWSのコストについては、リニューアルした直後は予期せぬ理由で急激な増加が発生したものの、サーバーワークスのアドバイスで無事に解決することができました。安定稼働に至った現在も、週次の定例会でコミュニケーションをとりながら、AWSの割引サービスを購入するなどコストの最適化を図っています。システム部 システム開発課長の小山欣泰氏は次のように話します。

「HALMEK upへリニューアルした当初、動画や静止画の配信が急増した結果、CDNの料金が想定以上に跳ね上がる事態が発生しました。その際、サーバーワークスから動画・画像のサイズに問題があることを指摘していただき、制作サイドにサイズ圧縮を依頼するなどして問題を解決することができました」

予約サイトの新規構築やAI分析システムの開発にも着手

WEBメディアのリニューアルを終えた現在、システム開発課としては今後もAWSをベースに全社のシステム改善を継続していく考えで、サーバーワークスとも複数の案件で新たなシステム開発に取り組んでいます。その1つとして各種イベント用の予約サイトを新たに構築して利便性を高めるプロジェクトが進行中で、2025年秋の稼働を予定しています。また、コンタクトセンターでの通話をテキスト化し、サービス向上や商品開発に活用するAI分析システムの開発も進めています。
「生成AIの活用は経営課題の1つでもあり、生産性や業務品質向上のために全社で取り組んでいます。これからもさまざまな業務領域でAWSを活用する方針は変わりませんので、サーバーワークスにはアプリケーション領域も含めた幅広い支援を期待しています」(森氏)

プロジェクトメンバーのコメント

今回のプロジェクトでは、私はPMとしてインフラ基盤の再構築プロジェクト全体を統括する役割を担いました。限られた開発期間の中でスケジュール通りに高品質なインフラ基盤を再構築できた成功要因としては、ハルメクホールディングス様、アプリケーションベンダー、サーバーワークスの3社がワンチームで対応できたことにあります。3社がそれぞれで目指す方向がある中、インフラ担当であるサーバーワークス側の意見を主張するだけでは、ミスマッチが生じてしまいます。そこで俯瞰的な視点で全体課題を共有し、目標を明確にしながらプロジェクトのマネジメントに取り組みました。特にアプリケーションベンダーとのコミュニケーションでは、あえて両社の役割を線引きして区別することはせず、アプリケーション寄りの要件にも踏み込んだ形で提案することを心がけました。

カスタマーサクセス部 CS3課 田畑 頼勝

ISP・通信事業者にて通信サービスの運用保守に従事後、金融・証券業界向けのミッションクリティカルなNW導入プロジェクトのPMを担当。その後法人営業部門へ転属となりエンタープライズ企業向けに幅広いサービスの提案・導入支援を行う。
2017年サーバーワークス入社後は営業担当を経てエンジニア部門へキャリアチェンジ。エンジニアとセールスの両視点を合わせ持つ強みを活かしてプロジェクトマネジメントとカスタマーサクセスを担当。
趣味はキャンプ。二歳児の父としてワークライフバランスの両立に奮闘中。

田畑 頼勝

私の主な役割は、エンジニアとしてハルメクホールディングス様が求める要件を設計に落とし込むことでした。今回はWebアプリケーションの構築ということで、2022-2023年に私たちがご支援させていただいたサーバー主体の基幹システムよりもアーキテクチャが複雑です。新たにコンテナを採用したほか、DBのAmazon Aurora、CDNのAmazon CloudFront、ロードバランサーのApplication Load Balancer(ALB)、容量無制限のファイルシステムのAmazon Elastic File System (Amazon EFS)などで構成されています。そのため、セキュリティの設定ポイントやカバーするネットワークレイヤーが広くなり、設計においても技術的なハードルがありましたが、過去のノウハウや経験を活かして乗り越えることができました。アプリケーションベンダーに対しても、構築だけにとどまらず、本稼働後の運用を効率化する観点から、セキュリティやネットワークに関するアドバイスを提供させていただきました。

マネージドサービス部 佐竹 陽一

2010年1月からAWSを業務として本格的に利用を開始。2014年7月にサーバーワークスへ入社。プリセールスから導入、運用保守までお客様と長期の関係性を築くことを得意としています。現在は「コスト最適化」と「AWS Organizations を活用したマルチアカウントとセキュリティ」の2つを軸にしたカスタマーサクセスとして活躍中。AWS パートナーネットワークにおいて「2020-2025 Japan AWS Top Engineers」、「2020-2025 Japan All Certifications Engineers」、また「2021-2022 Japan AWS Ambassadors」として表彰。

佐竹 陽一

私は主にインフラの詳細部分の設計や構築を担当しました。今回のプロジェクトのインフラ環境では AWSのベストプラクティスに則って設計、実装をすることでセキュリティを高め、運用負荷を軽減するインフラ基盤を再構築することができました。例えば、ソースコード管理において、アプリケーションベンダーから外部のGitHubを使いたいという要望がありましたので、外部のユーザーIDにAWSリソースへのアクセス許可を与えることができるAWSの「IDプロバイダー」という仕組みを活用しました。これにより、漏洩リスクの高い認証情報を発行することなくセキュアな連携を実現しアプリケーションレベルでセキュリティの強化を図りました。また、マルチアカウント環境でのログ集約やリソースの自動スケーリングの実装で運用後の負荷を軽減できる基盤を提供させていただきました。

カスタマーサクセス部 CS3課 岡部 純

医療業界からIT業界へキャリアチェンジ後、AWS、Azure、GCPを含むクラウド環境の運用/保守を経験し、2022年にサーバーワークスに入社。医療業界で培った優しい心と様々な環境の運用経験を活かして、カスタマーサクセスを担当。2024-2025 Japan All Certifications Engineers に選出。北海道出身、趣味はスノーボード。最近はサウナにはまっている。

岡部 純
導入事例(株式会社ハルメクホールディングス様)

株式会社ハルメクホールディングス様

50代からの女性の暮らしを豊かにするためのコンテンツ事業、通販事業、店舗事業、コンサルティング・広告代理事業など、多様なビジネスを展開。WEBメディア「HALMEK up」は月間総PV数536万、月間総UU数247万(2024年9月末実績)を誇る人気サイトで、「LINE NEWS AWARDS 2024 LINEメディア賞 女性部門 大賞」を3年連続で受賞するなど、女性向けメディアとして高い評価を獲得している。

お話を伺った方

森 丈生 氏
株式会社ハルメクホールディングス 執行役員(CIO・システム管掌) システム部長
遠藤 隆治 氏
株式会社ハルメクホールディングス システム部 システム開発課 シニアフェロー
小山 欣泰 氏
株式会社ハルメクホールディングス システム部 システム開発課長

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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