Amazon Connectで国内約15,000教室の指導者からの電話問い合わせ対応を内製化 リモートワークでの対応も可能になり、問い合わせ窓口の柔軟な運営が実現

子どもたちが自学自習を通じて高い学力のみならず自ら学ぶ力を身につけることで、自立した人材の育成を目指す「公文式学習法」による教育サービスを世界60以上の国と地域で展開し、社会に貢献し続ける株式会社公文教育研究会(以下、KUMON)。同社では、フリーダイヤルを使って全国の教室指導者から寄せられる電話による問い合わせ対応を内製化するにあたって、サーバーワークスの支援でアマゾン ウェブ サービス(AWS)のクラウドコンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を導入。これにより、繁忙度に応じた柔軟な受電対応やリモートワークでの対応が実現したほか、教室の声を活かしたサービスの高度化にも取り組んでいます。
事例のポイント
Before
お客様の課題
- 全国の教室保護者から寄せられる電話問い合わせ対応の内製化
- 問い合わせ窓口業務の効率化、品質の向上
- システム運用コストの低減
After
課題解決の成果
- 受電対応業務の内製化による柔軟な運用
- 在宅でのリモートワーク対応の実現
- 繁忙度に応じたオペレーターの最適な配置
- 録音データを活用した対応品質の向上
導入サービス
Index
全国の教室の声に耳を傾けるために問い合わせ窓口業務を内製化
「個々の可能性を最大限に伸ばすことにより地球社会に貢献する」を理念に掲げ、国内だけでも15,000以上の教室を展開するKUMON。同社がAmazon Connectを導入するきっかけとなったのは、全国の教室から提出される「報告書」に関する電話問い合わせ対応の内製化でした。
フランチャイズシステムを採用しているKUMONでは、国内のすべての教室に対して毎月1回、教室における学習者数、使用した教材の種類と枚数、科目ごとの学習の進捗状況などの報告を義務付けています。報告書は各教室の指導者が専用のシステムに入力する、あるいは紙の書類を郵送で受け付けるなどして集約していますが、報告書の記入方法がわからない、他教室からの生徒の転入処理の方法がわからないといった際に、フリーダイヤルから問い合わせが寄せられます。
これまで業務委託をしていた問い合わせ窓口業務を内製化するに至った経緯について、指導者・会員サービス推進部 事務サポートセンターチーム リーダーの吉川時子氏は次のように説明します。

「当社のWebサイトでもFAQは用意していますが、フリーダイヤルからのお問い合わせも報告書についてだけでも毎月500件ほどあります。各教室から送られてくる報告書や現場の声は教材開発においても貴重なデータですので、当社の社員自らが現場の声に耳を傾けることで、会員の皆様に新たな価値を提供できるのではないかと考えました」
サーバーワークスの支援により、複数の電話対応窓口をAmazon Connectで集約
報告書に関する電話問い合わせ対応の内製化を決断したKUMONは、ハードウェアが不要で短期導入が可能なAmazon Connectを活用したコンタクトセンターシステムの構築を検討し、導入パートナーとしてサーバーワークスに支援を要請しました。
「基本料金がかからず従量課金で利用できるメリットに加えて、導入後も社内のメンバーで改修できる柔軟性も考慮してAmazon Connectの採用を決めました。導入パートナーの選定では、Amazon Connectをインターネットで検索して真っ先に名前が出てきたのがサーバーワークスさんでした。サイトには多くの導入事例が掲載され、YouTubeなどでも積極的に情報を発信していたことから、内製へのスムーズな移行と運用時の手厚い支援を期待してお願いすることにしました」(吉川氏)
報告書関連のフリーダイヤル対応のAmazon Connectへの移行は2021年6月からの2カ月間で実施し、その後もPCの操作と特殊な要件に関する問い合わせに対応する2つの窓口をAmazon Connectに移行しています。現在は「くもん指導者窓口」として 5つの窓口を運用しています。
これらの一連の移行作業はサーバーワークスが幅広く支援し、コンタクトフロー設計などの環境構築だけでなく、マイクやヘッドホンの調整などにも対応しました。
「プロジェクトの過程では、当社からのリクエストに対するサーバーワークスさんの対応は迅速で、プロジェクト管理ツールのBacklogで進捗状況を可視化していただけたこともあり、安心して進めることができました」(吉川氏)
指導者向けの5つの問い合わせ窓口を集約した後は、その実績を評価して会員からの問い合わせを受け付けるフリーダイヤル窓口もAmazon Connectに移行し、さらに2024年に入ってからは指導者募集のフリーダイヤル窓口をAmazon Connectで開設しています。この間のサーバーワークスの支援について、指導者・会員サービス推進部 指導者サポートチームの安部和聡氏は次のように評価します。

「指導者募集という新たな窓口の開設では、構築中にコンタクトフローの再設計が発生しましたが、自分たちだけでは不安がある中、オンライン会議で画面を共有しながら丁寧にサポートしていただきました。問い合わせ対応の平均処理時間などのKPIの計測においても的確なアドバイスをいただき、顔が見えるサポートに満足しています」
繁忙度に応じた柔軟な受電対応リモートワークでの対応も可能に
2025年2月現在、指導者向けの5つの問い合わせ窓口では、合計40人のオペレーターがAmazon Connectで構築したコンタクトセンターシステムを利用しています。受電対応の内製化によって柔軟な運用が実現し、リモートワークでの対応も可能になっています。
「現在、出社が必要な社員を除いて、ほとんどのオペレーターがリモートワークで対応しています。Amazon Connectによって報告書と事務関連サポートの2つの窓口を兼務したり、繁忙度に応じてオペレーターの配置を変更したりすることもできますで、報告書の締め切り間際で問い合わせが増える時期でも負荷を分散できます」(吉川氏)
Amazon Connectの導入後はオペレーターの対応品質の向上にも取り組み、四半期に1回の頻度で音声データを確認しながら振り返る事例検討会を開催しています。
「以前は問い合わせ対応の内容を委託先から提供してもらう必要がありましたが、現在は社内でモニタリングができるため、初心者や対応時間の長いオペレーターに適切な指示を出せるようになっています。事例検討会では、録音データを聞きながら『ここは良かった』『ここは改善しよう』といった意見交換をしながら、対応品質の改善に取り組んでいます。これにより、オペレーターの意識も変わってきています」(安部氏)
受電内容の自動テキスト化など問い合わせ窓口業務のさらなる高度化
問い合わせ窓口業務のさらなる効率化、品質向上に向けて残された課題としては、問い合わせ対応の満足度を調査するアンケート機能の実装や、受電内容の自動テキスト化などが挙げられます。

問い合わせ窓口全体のシステム環境などもあり、現時点では見通しは立っていないものの、将来的な実現を見据えて検討を継続中です。今後も問い合わせ窓口の運営においてAmazon Connectが果たす役割は大きく、サーバーワークスの支援にも大きな期待を寄せています。
「問い合わせ窓口業務を内製化してからまだ数年と歴史も浅く、改善すべき課題は多く残されています。全国の教室指導者や会員の皆様からの問い合わせ対応は非常に重要な業務ですので、多くのノウハウをお持ちのサーバーワークスさんには、今後もさまざまなお力添えをお願いしたいと考えています」(安部氏)


株式会社公文教育研究会様
「個々の人間に与えられている可能性を発見し、その能力を最大限に伸ばすことにより健全にして有能な人材の育成をはかり、地球社会に貢献する」を理念に、独自のメソッド「公文式学習法」による教育サービスを提供。現在、北南米、アジア、欧州、アフリカなど62の国と地域で23,300教室(日本15,100、海外8,200)を展開し、約355万(日本132万、海外223万)の学習者がいる(2024年3月現在)。
お話を伺った方
- 吉川 時子 氏
- 株式会社公文教育研究会 指導者・会員サービス推進部 事務サポートセンターチーム リーダー
- 安部 和聡 氏
- 株式会社公文教育研究会 指導者・会員サービス推進部 指導者サポートチーム
※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
担当プロジェクトメンバー
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アプリケーションサービス部 ディベロップメントサービス1課 内村 和博
Web アプリケーション・インフラエンジニア/プロジェクトマネージメントの実務経験後、サーバーワークスへ入社。
Web サービスの AWS 移行技術支援、DB EOL に伴う AWS 移行支援、機械学習を用いた Web サービス機能開発支援、Amazon Connect を用いたシステム開発支援などの案件にPMとして従事。 -
アプリケーションサービス部営業課 課長 中嶋 麻衣子
2010年からサーバーワークスに所属しており、一貫してAWS周辺の営業をやっています。
現在はデータ分析基盤やIoTプラットフォームの構築、Amazon Connect の導入やIVR自動化の構築等々をメインにご提案しています。
趣味は三線演奏、ゴルフ、プロ野球観戦で、もっぱらオンシーズンは神宮球場に出没しています。
選ばれる3つの理由
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Reason 01
圧倒的な実績数による
提案力とスピード- 導入実績
- 1440 社
- 案件実績
- 25600 件
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Reason 02
AWS認定の最上位
パートナーとしての技術力 -
Reason 03
いち早くAWS専業に
取り組んだ歴史