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AWSの見積もりにおいて確認すべきこと|見積方法とフロー・注意点

AWSの見積もりにおいて確認すべきこと|見積方法とフロー・注意点

近年、コスト最適化や業務効率化を目的としたアマゾン ウェブ サービス(AWS)への移行が注目されています。従量課金のAWSに以降することで、柔軟なコスト管理が実現できるほか、IT投資全体のROIへの貢献にもつながります。
この記事では、AWSの見積もり時に確認すべきことと見積もり方法、フローと注意点について詳しく解説します。

「AWSの概要を詳しく知りたい方はこちら

※当記事は2025年5月に書かれたものであり、以後に展開された最新情報が含まれていない可能性がございます。

AWSの見積もりを行う際にまず確認すること

AWSでサーバー構成の見積もりを行うには、以下の3つの情報を事前に整理しておくとスムーズです。

① 現行環境の構成情報

  • サーバーの台数
  • CPU・メモリなどのスペック
  • ディスク容量、ネットワーク使用量 など

この情報をもとに、必要なリソース量を把握することで、無駄なスペックの過剰見積もりを防ぐことができます。

② 利用用途(ワークロードの種類)
Webアプリ、バッチ処理、データベースなど、用途によって必要なスペックが異なります。例えば、バッチ処理であればCPU重視、DBサーバーならI/O性能重視など、見積もりの精度に直結します。

③ 今後の構成変更の意向
現行環境をそのまま再現するのではなく、クラウド移行にあわせて構成を見直すケースであれば、新構成でのインスタンス選定に備え、必要な台数や役割分担の整理もしておきましょう。

AWSの見積もりを行う方法

AWSの料金を自社で試算するなら、AWS公式の見積もりツール「Pricing Calculator」を使うのが基本です。事前に整理した構成情報をもとに、月額利用料のシミュレーションが可能です。
【できること】

  • 利用予定のAWSサービスを選び、リソース単位で料金を試算
  • 複数パターンの構成(例:本番・開発・検証環境)を比較
  • 結果をPDFや共有リンクで出力可能(社内稟議にも使える)

AWSで課金対象になる主要なポイント

AWSは使った分だけ課金される従量課金制ですが、「どこにどれだけ課金がかかるのか」を押さえておかないと、想定外の請求になることもあります。主な課金要素は以下のとおりです。

AWSサービス 課金要素
サーバーのスペック 使用するCPUやメモリ数によって1時間あたりの利用料が変わります。
ストレージ 1ヶ月に何GB利用したかでストレージ利用料が異なります。また、ストレージの保管先(Amazon S3やAmazon EBS)により料金が変わります。
データ通信料 1ヶ月で何GB通信したかにより、データ通信料が異なります。

AWS Pricing Calculatorの利用方法

AWSの料金を試算するには、AWS公式の「Pricing Calculator」を使います。ここでは、基本的な使い方を3ステップで解説します。

STEP.1 Calculatorにアクセスして「見積もりの作成」を開始

1.AWS Pricing Calculator にアクセス
2.画面上部の「Create estimate(見積もりの作成)」をクリック
3.右上の「Language」から日本語に変更可能(操作に不安がある場合は推奨)

STEP2:リージョンとサービスを選択し、詳細を入力

1. リージョンの選択
「ロケーションタイプ」から利用予定のリージョン(例:アジアパシフィック(東京))を選択します。リージョンによってサービスの提供状況や価格が異なるため、必ず実運用予定のリージョンを指定してください。

2. サービスの追加と入力項目の設定
左側のメニューから見積もりたいAWSサービスを選択し、必要な設定を入力していきます。

サービス例 主な入力項目
Amazon EC2 OS、インスタンスタイプ(例:t3.medium)、台数、稼働時間(常時 or 一時的)
Amazon RDS データベースエンジン、vCPU数、メモリ、ストレージ容量
Amazon S3 保存容量、ストレージクラス(標準/低頻度アクセスなど)、データ転送量

ほかにも、ストレージ容量やストレージタイプ、月間のデータ転送量など、事前に調査した現行情報に基づいて順次入力します。

STEP.3 合計金額を確認する

利用予定の各サービスの入力が完了し、見積もりの内容が確定したら、画面右上の「エクスポート」ボタンをクリックします。

見積もり結果は、PDFやCSVのドキュメント形式でダウンロードができます。また、作成した見積もりをAWS Pricing Calculator上で保存できる共有リンクも提供されるため、社内共有や修正、再利用が可能です。

自社で見積もりが難しい場合は、AWSパートナーに依頼するのも手
「リソースが足りない」「クラウド構成に自信がない」そんな場合は、AWS認定パートナーに相談するのが有効です。

AWSパートナーに依頼するメリット

1. 構成設計〜見積もりまで丸ごと任せられる

  • 現行環境や要件をもとに、最適なインスタンスタイプや構成を提案
  • トラフィックの増減や一時的な負荷など、ユースケースを考慮した見積もり

2. コスト最適化&割引メリット

  • Savings Plansやリザーブドインスタンスの活用支援
  • 請求代行による柔軟な支払い方法・割引の適用

3. 運用設計・移行支援も対応

  • ベストプラクティスに基づいた設計レビュー
  • 本番環境へのスムーズな移行支援

サーバーワークスでは、AWSの請求代行や運用支援を行う4つのプランをご用意しています。コストの観点だけでなく、一部のプランではAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」の無料提供や、その他の支援サービスも行っているので、お気軽にご相談ください。

>> 詳しくは「AWS請求代行サービスの詳細はこちら」

AWSの見積もりに関する注意点

AWSの料金体系は複雑なうえに、構成や使い方次第で月額コストに大きな差が出ます。見積もりを正確に行うには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

1. リージョンによって料金が異なる

AWSは世界中に複数のリージョン(データセンター)を持ち、同じサービスでもリージョンごとに料金が変わります。たとえば、日本リージョン(東京・大阪)は、米国よりもコストが高い傾向があります。
地理的制約がなければ、料金の安いリージョンを使うことでコストを抑えられる可能性あり
ただし、レイテンシや法令対応などの要件も踏まえて選定を

2. スペックは「ちょうどよく」が鉄則

AWSでは、サーバーのスペック(vCPU数やメモリ量)がそのまま料金に反映されます。
性能が高すぎるとムダなコスト
性能が低すぎるとパフォーマンス不足で再設計コスト発生も
現行システムや将来的な負荷をもとに、必要十分なスペックを選ぶことがコスト最適化につながります。

3. 支払い方法によって大きく料金が変わる

AWSには複数の支払い方法があります。どれを選ぶかで月額料金が数十%変わることもあります。

支払い方法 特徴 割引の目安
オンデマンド(従量課金) 使った分だけ課金。柔軟だが単価が最も高い なし
リザーブドインスタンス(RI) 1年または3年の契約。特定インスタンスを固定料金で予約 最大約72%(条件あり)
Savings Plans 使用量に応じた割引契約。インスタンスに縛られず柔軟 最大約66%(条件あり)

AWS見積もりは「構成整理+ツール活用+適切な判断」がカギ

AWSを正確に見積もるには、次の3ステップが基本です。

1.現行構成や目的に応じて、必要なスペックや用途を整理
2.AWS Pricing Calculatorを使って複数パターンを比較試算
3.支払い方法やリージョン選定など、コスト影響の大きい要素を最適化

また、AWSには一部サービスに無料利用枠があり、開発・検証環境では費用を抑えられることもあります。さらに、支払い通貨がUSD建てになるケースもあるため、為替変動リスクも踏まえて予算を立てることが重要です。

構成検討や料金試算に不安がある場合は、AWS認定パートナーへの外部委託も有効です。最適な構成提案や割引活用の支援を受けながら、コストパフォーマンスの高いAWS活用が実現できます。

AWS見積もり・導入支援をご検討の方は、サービス詳細をご覧ください。



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