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AWSトレーニングの事例

AWSトレーニングの事例

AGC株式会社様

100年以上前に、国産板ガラスの製造に挑戦して以来、モノづくりの強みを活かした独自の素材・ソリューションを展開。ガラス、電子、化学品、セラミックスなどの事業分野で技術とノウハウを蓄積し、建築や自動車、エレクトロニクスなど幅広い産業界へソリューションを提供している。国内のみならず、1950年代のインド進出を皮切りに、アジア、欧米、南米、中東へとグローバルに事業を展開。社会にとって“無くてはならない存在”として、新たなソリューションを提供し続けている。

データセンターからAWSへ、基幹システムを全面移行

クラウドの利用状況について教えてください。

情報システム部で管理・運用している基幹システムに関しては、データセンターにおける運用からAWSへと移行しているところです。現状、ほぼ半分のシステムの移行を終え、残りは2年間ぐらいをかけて移行を終える予定です。また、PoCを実施する開発基盤としての利用も開始しています。

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AGC旭硝子 情報システム部
デジタル・イノベーショングループ
マネージャー 浅沼 勉氏

クラウドインフラとしてAWSを採用した理由を教えてください。

PaaSは、サービスごとに特徴が異なるのでマルチに利用する方が良いと思います。一方、IaaSは、サービス自体に大きな差は見られませんが、当社で検討を始めた当時、規模感、信頼性、実績、機能、情報量などを判断すれば、AWSというのは最善の選択肢でした。

現時点でのAWSに対する評価をお聞かせください。

大きなトラブルや問題も発生しておらず、運用コストやリソースの削減、可用性や拡張性の向上など、移行前に予定していたことはほぼ実現できています。さらに価値を高めていけるかどうか、さまざまなアプローチから模索しています。

AWS上にアジャイルでプログラムを開発できるようトレーニングを依頼

サーバーワークスに依頼している業務について教えてください。

AWSにおけるプログラム開発のトレーニングをお願いしています。現段階では週に1回のペースで、サーバーワークスへ出向いてトレーニングを受けています。当社からのオーダーとしては、「AWS上にアジャイルでプログラムを開発できるように、社内のメンバーにトレーニングしてください」というものでした。

ただし、トレーニングといっても、言語の文法や開発の手法に関して一方的に教えを請うというわけではなく、PoCとして小規模なシステムを実践的に開発していくチームの一員として、メンバーを導いてもらっていると表現した方が実際のイメージに近いかもしれません。

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AGC旭硝子 情報システム部
デジタル・イノベーショングループ
久保田 有紀氏

具体的にはどのような案件の開発を行っているのでしょうか。

プログラム開発の第一歩は、京浜工場内にある研究開発棟の一部の会議室を対象にセンサを試験的に設置し、社内サイネージとして使っている自社製品のinfoverre® に利用状況をリアルタイムで表示させるという取り組みでした。

そのinfoverre®は、社員向けに日常生活情報を表示するサイネージであると同時に、商品開発研究所が提案するinteractiveな新しい機能を実装するためのプロトタイプ機でもあります。情報システム部としては、開発初期段階の機能をまずは社員ユーザーに気軽に評価してもらえるようなシステム開発を担当しており、研究所と一体となって、ユーザー評価に基づくアジャイル型の商品開発に貢献しています。

infoverre®の商品開発は材料技術や生産技術が中心であったので、今回IT技術が開発に関わったことで、研究所のメンバーからは、検証の幅が拡がったとの前向きなコメントも得られています。 実体ある商品の開発にITが直接的に関わるという、これまでにはなかった情報システム部の新しい役割の一つを示すことができたのではないかと思っています。

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自社製品のinfoverre®を社内サイネージとして利用 (旭硝子京浜工場内 研究開発棟)

目指したのは、社内リソースでPoCを実施するための環境づくりとマインド・文化の育成

今回のような取り組みを実践するにいたった経緯を教えてください。

これまで私たち情報システム部門は、主に基幹システムなどの構築・運用を通じて会社、そして各事業部に貢献してきました。しかし、それは業務面からのアプローチであって、製品自体の付加価値や機能を高めるという、直接的な効果を期待できるものではありませんでした。

仮に事業部から「製品の価値や機能を高めるため、こういうプログラムやシステムを開発してほしい」という要望を受けても、「サーバーを購入するのに何十万かかります」「開発リソースの確保にもコストが必要です」「仕様を固めてから話をしてください」というような状況でしたので、よほど確実な見込みがなければ、事業部から要望を受けるようなことはありませんでした。

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AGC旭硝子 情報システム部
デジタル・イノベーショングループ
マネージャー 瀧田 美喜子氏

また、クラウドの活用によりインフラの構築・保守・運用に必要な人員が削減されるので、その人達をどう活用していくかというのも重要な課題となっていました。人員やコストを削減できるからといって、そのまま部門を縮小してしまえば、将来的に競争力の低下や空洞化にもつながりかねません。

AWSのようなクラウドインフラを活用すれば、開発環境を数万円、数時間で用意できます。また、小規模なPoC的なアプローチでプログラムやシステムを開発するのであれば、社外に依頼するより社内の人員で対応した方が、効率的で迅速な対応が可能です。その結果、数多くのプロジェクトを立ち上げることができます。さらには、IoTやAIといった先進的なテクノロジーを活用するのにも、合理的であり相性も良い手法だと言えます。

このようにAWSというクラウドインフラを活用して、社内リソースでPoCを実施するための環境づくり、そしてそのようなマインドを持ったエンジニアを育み、文化として社内に浸透させていくことが、今回の取り組みのねらいとなります。

先ほど「アジャイル」というキーワードも出ていましたが。

適材適所で最適な開発手法を用いて取り組めばいいので、従来のウォーターフォール型の開発はダメで、アジャイル万歳というような短絡的な話ではありません。現時点では、PoC的なアプローチや取り組みを実践するための経験やノウハウがないので、それができる人や経験やノウハウを持っている人に教えを請うて、エンジニアのマインドを変えていくということが第一歩となります。

結果的に、各事業部がこのような私たちの取り組みに気づき、自分たちの要望にも応えてほしいという文化が育っていくことにつながり、「困ったことや実現したいことがあれば気軽に相談できる」「情報システム部門に頼めば何とかしてくれる」という存在になれれば理想的です。

ギーク過ぎず、エンタープライズ系のベンダーよりも柔軟な対応が期待できるサーバーワークスに期待

社内で勉強会を開いてと言うアプローチもあったかと思うのですが、なぜサーバーワークスにトレーニングを依頼したのでしょうか。

単に新しい開発言語や手法を学ぶと言うことであれば、社内の勉強会でも済んだかもしれません。もしくは、プログラミング講座のようなものに参加すればいいのかもしれません。

しかし、マインドや文化を変えるというのはとても難しく、極論としては人を変えるのが手っ取り早い手段となります。しかし、そのような手段を取るわけにはいきません。現有リソースで対応するとなれば、甘えのない第三者からの導きを受けるというのは効率的であり、早い段階で一定の成果も期待できると期待しました。

また、サーバーワークスにお願いをした一番のポイントは、ギーク過ぎず、エンタープライズ系のベンダーよりも柔軟な対応が期待できるところでした。基幹系システムのサポートをお願いしてきたベンダーはウォーターフォール型の開発には強いけれども、アジャイルには弱いという印象がありました。

一方、サーバーワークスは、AWSに関する知識や経験が豊富であることはもちろんですが、実際にサービスとして提供しているAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」のようなサービスやツールを自社で開発しており、AWSの変化、そして利用者の要望に応じて、サービスや仕様を進化させているという実績があります。都合の良い話かもしれませんが、そのノウハウや経験を社内のリソースに伝えてもらいたいと考え、サーバーワークスに依頼することにしました。

これまでサーバーワークスとの具体的なお付き合いはなかったのですが、AWS関連のイベントやセミナーに参加する中で、大石社長の話を聞くなどして、エンジニアリングに強いという印象を持っており、今回のプロジェクトには適切だと判断しました。

サーバーワークスへの評価

サーバーワークスへの評価をお聞かせください。

良い意味で、トレーナーがいわゆる“先生”ではなく、実際にさまざまなサービスや機能を開発しているエンジニアの方なので、私たちと同じ視点で、一緒に考えてアドバイスもしてくれます。 フラットなチームな感覚で意見も言いやすい一方、技術力だけでなく、熱意や情熱があり、安直に妥協することはないので、緊張感を持って開発に臨めます。

開発力が上がったとか、良いプログラムが開発できるようになったとかではなく、今回の取り組みを通じて、仕事やエンドユーザ(社内)への向き合い方やサービスや機能のとらえ方が、変わりつつある様子が垣間見えるようになりました。

周辺からの評価や評判はいかがですか。

新しい取り組みということもあり、現段階では周辺も静観しているという状況です。成果が出るに越したことはありませんが、机上で議論ばかりしていたのでは何も生まれませんし、何も進みません。まずはやってみて、そこから周辺も巻き込んで、新たな議論が始まることが重要だと捉えています。

サーバーワークスならではの独自性に期待

今後の展開について教えてください。

このような取り組みは長期的な視野で継続的に活動していくことが重要だと考えていますが、さらにトレーニング参加するメンバーを増やすか、トレーニングの頻度を増やすのかという点では少し迷っています。いずれにせよ、トレーニングに参加しているメンバーに限らず、AWS上での開発が楽しいと思える人間が増えるよう発展させていきたいと思っています。

サーバーワークスへの要望や期待があればお聞かせください。

トレーニングという明確にメニュー化されているサービスではない要望に対しても、柔軟に対応してもらい感謝しています。

サーバーワークスは、これまで付き合ってきた基幹システムをサポートしてもらってきたベンダーとは、明らかに性質が異なります。今後、企業規模や事業は拡大していくのかもしれませんが、それに併せて普通の企業になってしまうのではなく、常に新しいこと、先進的なことへと挑戦・経験し続ける企業であってほしい。今兼ね備えているサーバーワークスならではの良さを失うことがないようにしてほしいと思っています。

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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